親子間売買
全日本任意売却支援協会では、これまで「親子間売買」や「親族間売買」 に、積極的に何度も取り組んでまいりました。
このページでは、親子間売買をするうえでの注意事項や仕組みついて解説していきます。
目次
1.親子間売買3つのメリット
親子間売買には下記の3つのメリットがあります。
1.慣れ親しんだマイホームに住み続けることができる
2.引越しをしなくていい
3.競売にならないので誰にも知られず、プライバシーが守られる
住宅ローンが払えず競売になってしまう前に、自分の子供に自宅を買ってもらって競売を避けることができるので、親子間売買は多くの方が望まれることです。
2.親子間売買3つの注意点
メリットの多い親子間売買ですが、実は簡単ではないのです。まずは、親子間売買を成功させるために注意すべき3点を解説します。
(1)子供の名義で住宅ローンが組みにくい
親子間売買をする為に子供が住宅ローンを申し込んだ場合、ほとんどの銀行が住宅ローンの資金を出しません。たとえ子供に安定した収入があったとしても困難なケースが多いのです。
その理由として、銀行は“債務の置き換えと判断するから”です。
というのも、債務とは借金のことであり、銀行は“親の借金を子供が肩代わりすること”に対して嫌悪感を示すからです。
比較的、住宅ローンの審査が通りやすいといわれる公務員や上場企業に勤めている方でも審査否決となることがあります。
参考として、最近の親子間売買の状況を説明します。
2019年 問合せ件数132件 成功5件
2020年 問合せ件数186件 成功2件
2021年 問合せ件数235件 成功1件
2022年 問合せ件数283件 成功0件
2023年 問合せ件数196件 成功0件
親子間売買は問合せが多くあります。全日本任意売却支援協会も以前は積極的に取り組んでいました。
しかし、ここ数年、親子間売買に取り組んでくれる金融機関がほぼ皆無になったことで、心苦しいのですが、ほとんどのケースでお断りしている状況です。
(2)子供がマイホームを購入する際に住宅ローンが組めなくなる
いざ親子間売買で住宅ローンを組めたとします。そうすると次は、子供がマイホームを購入する際に、その住宅ローンがあるために、マイホームの住宅ローンを組む事が出来なくなります。
これまで全日本任意売却支援協会でも、「子供に相談したけど断られた」というケースがいくつもありました。
また息子さんの了解だけではダメなこともありました。息子さん名義で住宅ローンを組んで住み続ける予定の方がいましたが、息子さんの妻の反対にあって親子間売買が成立しなかったのです。
子供には子供の事情がありますので、事前に子供の意思確認をされることをお勧めします。
(3)売買する金額が安すぎても、高すぎても問題が起こる
親子間売買をする上で、考慮しなければならないのが売買価格です。
というのも、一般的な市場価格と比較して相当に安い金額で売買すると、贈与とみなされ贈与税がかかることになるからです。
一方、親が購入した金額を上回る高い金額で売買してしまうと、売買益が生じて所得税の対象になることがあります。
親子間売買の取り組み実績のある不動産業者に依頼して、契約書の作成から住宅ローンの申し込みなどの助言を受けられることをお勧めします。
3. 親子間売買に関するよくいただくご質問
親子間売買に関するよくいただくご質問とその回答を、こちらでご案内しています。
親子間売買について、よくいただくご質問をまとめました。
Q.親子間売買で住宅ローン控除は利用できる?
親と子供の間で家や土地などの不動産を売買する親子間売買でも、住宅ローン控除は利用できます。
ただ、いくつか条件がありそれに当てはまっている必要があります。
より詳しくはこちらでご確認いただけます。
Q.親族間売買の住宅ローンは借り換えできる?
親族間売買の住宅ローンの借り換えを扱っている金融機関はほとんどありません。
有名な都市銀行など、ほとんどのところはそもそも親族間売買の住宅ローンを取り扱っていないので、対応できないというのが現状です。
住宅ローンの借り換え自体は多くの金融機関で対応してもらえるのですが、親族間売買に関しては断られてしまうことが多いです。
より詳しくはこちらでご確認いただけます。
Q.親族間売買の住宅ローンの金利は高い?低い?
親族間売買の住宅ローンの金利は高いのが一般的です。
親族間売買の住宅ローンの審査はかなり厳しいですが、審査が通って無事住宅ローンを借りられることもあります。
より詳しくはこちらでご確認いただけます。
Q.親族間売買の契約書にはどんな内容を記載する必要がある?
親族間売買であっても契約書は必ず作成しましょう。
基本的に売買契約書に記載すべき内容は決まっています。
より詳しくはこちらでご確認いただけます。
Q.親族間売買の住宅ローンが組める銀行はどこ?
都市銀行などいわゆるメガバンクと呼ばれるところでは、基本的に親族間売買の住宅ローンを取り扱っていません。
住宅ローンを他の目的で使うなどのリスクがあるからです。
より詳しくはこちらでご確認いただけます。4. 任意売却を伴う親子間売買のまとめ
これまで親子間売買について説明してきましたが、親子間売買は極めて専門的な知識が必要とされます。親子間売買の実績の無い不動産会社に頼んで競売になってしまったという例も残念ながらたくさん見てきました。
ただ、今は知識があっても、そもそも親子間売買をするためにローンを組んでくれる金融機関が皆無に近いので、当協会でも親子間売買を成功させた事例がほぼない状態であります。
「家を残したい」という親の気持ちは理解できます。また、親のために自分がローンを組むという親孝行な子供の気持ちも理解できます。ただ、家を残したいという理由だけで、また新たな借金を背負い、親のためと思ってやった子供までもが生活に困窮するというケースもありました。
状況によっては、一旦ここでリセットして新たな道を模索するのも、これからの人生を切り開くためには必要なことではないかと思います。
任意売却と親子間売買 関連ページ
- 任意売却によるリースバックで住み続ける
- 離婚後でもリースバックならそのまま住み続けることが可能
- 住宅ローンが払えなくなる3つの理由
- 任意売却後の住宅ローン(残債)
- 任意売却・リースバックの流れ
- 1分でわかる!住宅ローン返済 危険度チェックリスト
任意売却と親子間売買 よく頂く質問
- 質問(1) 任意売却のデメリットはありますか?
- 質問(2) 任意売却をする必要のないケースはどういったケースなのですか?
- 質問(3) 任意売却と通常の売却の違いは何?
- 質問(4) どうして相談料は無料なのですか?
- 質問(5) 任意売却の依頼後、何をしてくれるのですか?