任意売却トラブルを避けるポイント
この記事を書いた人
安田 裕次
全日本任意売却支援協会
代表理事
残念なことに、任意売却に対応可能な業者が増えれば増えるほど、それに比例してトラブルも増えている傾向にあります。トラブルを避けるには、どのようなトラブルが起きているかを知り、ご自身で依頼する業者をしっかり見極めることです。
「後になって、こうしておけば良かった」とならない為にも、今のうちにできる知識と方法を知っておきましょう。
≪①≫業者選びを慎重に行う
(1) 実績の多い会社を選ぶ
実績の多い会社はそれだけ経験、知識が豊富といえ成功する確率が高くなるでしょう。
相続、離婚、税金に関わる問題、自己破産すべきか等のご相談にも対応可能な会社であれば、どのような状況であってもベストな解決方法で対応することができます。
(2) 宅地建物取引業者であるか確認する
住宅ローン滞納者の顧客名簿を集め、不動産業者に売買する紹介屋が横行しています。
知らない間にあなたの個人情報が売買されているので注意が必要です。
(3) 2社以上の会社の話を聞く
1社だけの話を聞いても比較が出来ないので、ピンとこないこともあるでしょう。
2社以上から話を聞くことで、より理解が深まり、納得感が増すことでしょう。
また、最近は裁判所の情報を元に、直接、自宅に訪問してくる業者に安易に任せる人が増えているため、後にトラブルになっているケースが多々あります。
2社以上の話を聞くことで、これらのトラブルを回避できる可能性も高くなるでしょう。
しかし、一部の業者では正しい知識もなく、切り捨ててしまうのです。
- 途中で現状報告をして貰えなくなり、担当者が途中で辞めていた
- 「任意売却は無理なので、競売になったらうちが入札します」と言われた
- 弁護士なら信頼できると思ったが、自己破産しかないと言われた
- 住宅ローン以外の借入については別のところに相談するように言われた
- 自分の希望を一切聞いて貰えず、勝手に進められた
- 何度も自宅に訪問してきて、近隣に知られたくないから仕方なく依頼した
≪②≫少しでも早い段階で相談する
タイムリミットは入札までです
必要な協力者を探す時間を確保することができ、住み続けたいというご希望を叶える可能性も広がります。
引越し代の金額
引越代を希望する場合でも、金額についてお話し合いをする期間が必要です。早めに金融機関と交渉することで、有利な解決が望めます。
差し押さえが入る前に
滞納している税金の差押えや、他の借入れ先(クレジットや消費者金融)から差押えがなされると、任意売却が失敗に終わる危険性も出てきます。
また、競売の入札が始まると、任意売却を受け付けてくれない金融機関がほとんどです。
業者選びに失敗しても
万が一、不誠実な業者に相談してしまった場合でも、残された時間さえあれば、お話合いを一からやり直すことが可能です。期間的な猶予が解決のポイントとなります。
≪③≫家族に伝える
(1) ご家族は協力者です。思い切って打ち明けましょう。
自分だけで解決したい。心配をかけたくない。という気持ちもわかりますが、やはり大切なマイホームの問題です。
思い切って打ち明けて、問題を共有するほうが解決の道は開けてきます。
(2) 解決までの時間も早くなります。
それに、苦難を共に乗り越えることで、家族の絆が深くなる方も多く拝見してきました。
ご相談されるタイミングに、「早すぎる」ということはありません。
売却を選択せざるを得なくなってしまう前に、何かしらの手立てがあるかも知れせん。
可能性を見つけるためにも、話し合いましょう。
(3) “連帯保証人”がいないか、今すぐ確認しましょう。
返済が困難になった場合、連帯保証人の方に支払い義務が生じます。しかし、できることなら連帯保証人への悪影響は避けたいもの。
影響を最小限に抑えるためには、より早期段階でのご相談が必要です。
ご自身のお借入状況、ご家族のご意思など、今把握できることを整理するだけでも、大きなメリットではないでしょうか。まずは第一ステップとして、ご不安に思うことをご相談ください。
≪①≫依頼業者別・対応比較表
ご相談先によって、「できること」「できないこと」があります。
上記の表のとおり、ご相談される会社の種類によって、その対応方法は大きく異なります。
例えば、任意売却は不動産の取引のため、弁護士だけでは解決できません。
しかし、不動産についてはプロであっても、任意売却は専門知識が必要なため、一般の不動産会社では十分な対応はできません。
また、紹介屋とは、お客様の情報を売り買いする業者であり、実際に対応はしてくれません。
任意売却を専門に扱う会社へのご相談・ご依頼をおすすめします。
≪②≫特徴と注意点(デメリット)
不動産の売買については、当然ながらプロです。
しかし、競売を回避するための取引きは未経験、という業者がほとんどです。
その場ではご相談を受けても、実際は的確な対応をせずに(できずに)、時間切れになってしまったというケースも多くあります。
「依頼をしたのに連絡が途絶え、気が付けば競売になってしまいました」
このような状況でご相談を頂いても、お手伝いすることができないのです。
任意売却の経験がどれだけあるかを確認する必要がありますが、本当は経験がなくても「経験がある」と言って引き受けてしまう業者も存在するので注意が必要です。
- 金融機関との交渉の経験がない
- 家を売った後の相談に応じることができない
- 顧問弁護士がおらず法律の相談ができない
- 一度も競売を取り下げたことがないので、具体的な知識がない
- 買い取りができない、方法に限りがある
ここ数年、テレビに弁護士の先生が出演されています。
とても明るく、優しそうで、どんな相談でも、魔法のように解決してくれる?
そんな雰囲気を持っている方もいらっしゃいます。
しかし実際は、弁護士の先生は法律家です。法律の問題は解決してくださいますが、“住み続ける提案”や“次の生活資金を捻出してくれる提案”などしてはくれません。
弁護士事務所へ相談に行くと、ほぼ100%自己破産を勧められます。
そして、家のことに関してはこのように言われます。
実例:「どうせ、破産するんだから残債が残ってもいいじゃないですか?」
実例:「住み続ける?それは無理でしょう」
実例:「次の生活資金?あなた自己破産するんですよ!」
弁護士の先生の元へ相談に行かれてから、当協会へご相談へいらっしゃる方もたくさんいらっしゃいます。その方たちの弁護士に対する不満は大きく分けて3つです。
<弁護士事務所に相談された方のアンケート>
1位 自己破産しか勧められなかった
2位 お金を払ってからは、弁護士と連絡が取れなくなった
3位 とにかく上から目線で、こちらの話を聞いてくれない
- 自己破産しかないと言われた
- 「競売になることは仕方がない」と自宅のことは取り合ってくれない
- 住み続ける方法や引越し資金の相談は全く聞いてくれない
- 依頼してお金を払うと、連絡が取れなくなることがある
- あまりにも言い方がきついので、相談する気にならない
- 無料なのは初回の30分だけで、その後は毎回相談料を請求される
「紹介屋」とは?
ホームページやインターネット広告を使って、ご相談者様の情報を集め、その情報を売ることで利益を得ている。不動産会社へ紹介して手数料を得る仕組みになっているため、業界では“紹介屋”と呼ばれる。
マスコミに出たり立派なホームページを持つことから、「大きな会社と思って相談したのにトラブルに巻き込まれた」など、相談前と相談後の印象の違いが特徴と言えます。
スタッフがたくさんいるように見せたり、お客様の声などが掲載されていても、実際にそこの会社の人が対応してくれるわけではありません。
紹介された業者によっては、紹介を受けても対応せずに放置したり、いい加減な対応で連絡が取れなくなることもあるようです。
<トラブル事例>
「予約して相談室に足を運んだら、知らない会社の名刺を渡された」
「自宅に来てもらったら、ホームページにも載っていない会社の人だった」
「相談直後から、消費者金融の電話がひっきりなしに鳴るようになった。情報を売られた?」
「当初の印象と全く違う対応で信じられない。途中で放置された」
- 別の不動産会社にあなたの個人情報が売買される
- その会社が対応しないため、同じ説明を何度もしなければならない
- あなたの個人情報を受けた不動産会社の実績や対応にバラつきがある
- 売却ばかり勧められ、住み続ける提案や引越し資金の相談に応じてくれない
- いろんな不動産会社にたらい回しにされる
任意売却を専門とする全国組織。
債権者(金融機関)との交渉実績も多く、より解決の可能性を追求した幅広いご提案が可能です。
また、お気持ち面での負担が大きいことを配慮し、相談者様のご不安や希望をじっくりお聞きする時間を十分に確保しています。
初回のご相談では、ご自宅の内容や住宅ローンのお借入状況だけに留まらず、ご家族の方のご意向やお子様の状況などもお話し頂いています。
(お子さんが学校を卒業するまでなんとか住み続けたい・・・等)
「住み続けたい」・・・が一番多くいただくご要望です。
→任意売却3つの解決方法
税金の滞納やマンションの管理費などについてもご不安があればご相談ください。
顧問弁護士による法律相談にもご対応しています。住宅ローン以外のお借入もある方、任意売却した後の残りの借金についてのご相談なども、まとめてご相談していただくことが可能です。
また、顧問弁護士の法律に関するご相談にも対応可能です。
住宅ローン以外のお借入もある方、任意売却した後の残りの借金についてのご相談なども、ご相談していただくことができます。
- 住み続けられる可能性がある
- 引越し代の捻出ができる
- 誰にも知られず早く高く売却できる可能性がある
- ひとりで悩んでいたモヤモヤ、イライラが解消される
- 将来に希望が持て、前向きなスタートができる
- いつでも専門家に無料でアドバイスがもらえるので気持ちに余裕が生まれる
この記事を書いた人
安田 裕次
全日本任意売却支援協会
代表理事住宅ローンアドバイザー、任意売却コンサルタント
宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー
不動産賃貸管理士、定期借家借地アドバイザー等、不動産やお金、保険に関する資格を有する。住宅ローン破綻者を競売から救うための「任意売却全国ネットワーク推進計画」 で、経営革新の承認を受けるなど、住宅ローン破綻者救済、任意売却事業の第一人者として活躍。