自己破産したときの連帯保証人への影響
自己破産を考えられている方のほとんどが最も気にされているのが、連帯保証人におよぼす影響です。
住宅ローンを申し込む際に、妻や家族が連帯保証人としてサインしているケースは非常に多くあります。
このページでは、主債務者が自己破産をした場合、連帯保証人にどのような影響があるのかを解説します。
①連帯保証人とは
②自己破産すると連帯保証人にどんな影響があるの?
③連帯保証人に支払い義務はある?
④連帯保証人に返済能力がない場合はどうなるの?
⑤連帯保証人に迷惑をかけないためには、自己破産する前に任意売却を検討
②自己破産すると連帯保証人にどんな影響があるの?
主債務者が自己破産をすると、連帯保証人は、銀行などの金融機関から残債務の返済を一括請求されます。
自己破産という手続きでは、手続きをした主債務者本人の返済義務は免除されます。ただし、あくまで個人単位の手続きであるため、連帯保証人の義務は免除されません。
つまり、銀行等の金融機関は、主債務者に自己破産されてしまうと本人には債務を請求できなくなるので、連帯保証人に残額を一括請求するのです。
そのため、連帯保証人に返済能力がない場合、連帯保証人も自己破産しなければならない可能性が出てきます。
多くの場合、連帯保証人になってくれる方は債務者の方を信頼してその責務を担ってくれています。そのため、連帯保証人に残債を請求されることに対して、みなさん非常に責任を感じられ、中には自己破産を躊躇される方もいらっしゃいます。
だからといって、返済できず督促が続く毎日を送り続けるのは非常にストレスがかかります。
実際、当協会に自己破産のご相談に来られる方は、この2つの心情のあいだで苦しみ悩まれています。
また、自宅が競売になった場合も、自己破産したときと同様に、連帯保証人は残債務の支払いを請求されます。
無用な心配をかける必要はありませんが、住宅ローンをすでに3回以上滞納してしまっている場合は、誠意をもってできるだけ早く状況について説明しましょう。
③連帯保証人に支払い義務はある?
連帯保証人は、主債務者本人と同じ責任を負っています。そのため、主債務者が返済できない場合、連帯保証人には当然に支払いの義務があります。借金の肩代わりをしなければならないのです。
多くの場合、住宅ローンの連帯保証人は、妻(または夫)、両親、親族等です。
たとえ身内であるからといって、簡単に迷惑をかけるわけにはいかないでしょう。
④連帯保証人に返済能力がない場合はどうなるの?
主債務者が自己破産したうえで、連帯保証人に一括での支払い能力がなければ、今度は連帯保証人の財産の処分による返済が求められます。
連帯保証人にマイホームがある場合は、その家が競売になる恐れがあり、さらに債務が残った場合は、連帯保証人に支払い義務があります。
つまり、主債務者と同様に債務整理や自己破産をせざるを得ない状況になりうるのです。
⑤連帯保証人に迷惑をかけないためには、自己破産する前に任意売却を検討
ここまでの解説のとおり、自己破産する場合、連帯保証人には多大な迷惑をかけることになります。自分一人の問題ではないのです。そのため、できるだけ自己破産はしたくないものです。
では、当協会に任意売却のご相談に来られる方は、どうしているのでしょうか?
9割以上の方は自己破産をしていません。
住宅ローンが返済できなくなった、または、競売を申し立てられているにもかかわらずです。
任意売却は、債権者(借入先の金融機関)と話し合いのうえで自宅を売却することです。また、任意売却をした人の多くが残債務(住宅ローンの残り)が残ります。その額、およそ700万円~1,000万円ほどです。
それでも自己破産をしないのは、金融機関との話し合いの中で、残債務の返済についても話し合いが行われるからです。多くの金融機関は、無理なく支払える範囲で支払うことを認めてくれるのです。
そのため、焦って自己破産することないのです。
もし、住宅ローン以外にも複数のカードローンや消費者金融からの借り入れがあり、督促に頭を抱えているのであれば、任意売却をして住宅ローンの問題が解決したあとにゆっくりと落ち着いて自己破産するかどうか考えればいいのです。
また、すでに自己破産を依頼して進行中の場合でも、任意売却をすることは可能です。この場合、専門相談員が弁護士と話し合いながら進めます。
"間に合わない"ということはありません。
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