任意売却と「管財事件」、「同時廃止」
自己破産をするなら任意売却の前? 後?
基本的には、任意売却の 後に自己破産をすることをおすすめしています。
なぜなら、自己破産の手続きにかかる期間と費用が大幅に変わるからです。
なぜ任意売却後に手続きをすると費用が少なくて済むのかというと・・・
自己破産は、「財産を持っている」か「財産を持っていない」かで手続きが異なるためです。
1.住宅(財産)を持っている場合 → 「管財事件(かんざいじけん)」
不動産などの財産を所有している場合は"管財事件扱い"となります。
管財事件とは、裁判所から選任される「破産管財人」が本人に代わって財産の処分・換金・債権者への分配を行うことです。破産手続きを開始すると破産管財人が選ばれ、財産に関しては、破産管財人がすべての権限を持つようになり、本人の自由はなくなります。
この管財事件は、手続きにプロセスが多く、実際に免責許可が出るまで半年~1年ほどかかります。
また、破産管財人がつくため、裁判所への予納金が50万円程度の費用がかかります。
(別途、弁護士費用も必要となります。)
2.住宅(財産)を持っていない場合 →「同時廃止」
財産がない場合は、処分したり債権者に分配する財産がありませんので、破産管財人がつく必要がありません。そのため、自己破産の手続き開始と同時に手続きを廃止します。要は、無意味な手続きを省略するということです。これにより3ヶ月程度で免責許可がおります。
手続きも比較的簡単なため、弁護士に頼まず本人だけで自己破産の手続きを行うことも可能です。裁判所への申立て費用は3万円程度です。
このように、任意売却でご自宅を売却した後に同時廃止の手続きをすることで、期間や費用面で負担が少なくなります。
上記はあくまでも基本的なケースになります。自己破産をご検討されている方は、任意売却と自己破産のタイミング、手続きの方法についても事前にご相談ください。
3.自己破産を検討している方にとって、任意売却のメリットとは?
自己破産をする場合、任意売却でも競売でも同じ・・・ではありません。
競売に比べた時のメリットをご紹介します。
- 任意売却をした後に自己破産をすると、期間や費用の負担が少なく済む。
- お引越し代(生活準備金)を捻出することが可能。
- 税金の滞納がある場合、自宅の売却代金の一部を税金の清算に充てられる。
そのほか、引越し時期についても、買主と調整することができます。
「競売の方が手間がかからないし良い」と決めてしまう前にご相談ください。金融機関や役所との話し合いなどは専門相談員が行います。
今後の生活にとって一番良い方法で解決しましょう。