実家を相続したので、住宅ローンはありませんでしたが、私の個人的な支出で…
野村健(仮名)様 50歳 無職
相談者 | 石橋 康人 (仮名)様 |
---|---|
年齢 | 56歳 |
職業 | 会社員 |
家族 | 母(86歳) |
住所 | 東京都豊島区 |
父母の為にせっかく買った家ですが、このままでは競売になってしまうし、母の病気の面倒も見なければならないので、売却して一度リセットしたいです。
石橋さんはご両親のために一軒家を購入し住宅ローンを組みました。
そして、毎月13万円もの住宅ローンを一生懸命働きながら18年間支払いを続けてきました。
しかし、昨年、お父さんが病気で亡くなりました。
同じ頃、今度はお母さんにガンが発見され、大変な治療を開始しなければならなくなりました。
悪いことは重なるもので、さらに石橋さんのお勤めの会社も業績が振るわず、給与の引き下げが行われ、今度は住宅ローンの支払いが厳しくなりました。
このままだと住宅ローンを滞納し、最後は競売になってしまう…
石橋さんは任意売却という苦渋の決断をし、当社へ相談をされました。
すぐに債権者と交渉し、販売価格も決まり売出しを開始しました。
場所は駅からも離れていましたが、幸いにも近隣の方がお子さんの家を探しており、すぐに購入申し込みが入りました。
しかし、本当に大変なのはここからでした。
債権者としては、お父さんが亡くなっているので、まずは相続人間で遺産分割協議書を交わし、相続登記を完了してからの決済になるというのが条件でした。
登記簿上の相続人は3人。
お母さん、石橋さん本人、石橋さんの弟。
3人とも仲の良い家族で、争ってもいないので、当初すぐに手続きは完了すると思っていました。
ところが、ここで最初の問題が発生。
司法書士に依頼して手続きを進めていくうちに、何と亡くなったお父さんと前妻の間に子供(成人Aさん)がおり、この方が分割協議に応じないというのです。
幸い、そのAさんは代理人として司法書士を立てていたので、その司法書士経由で詳しい話を聞くことができました。
そのAさんは、何か後で借金問題に巻き込まれたくないので、相続放棄を家庭裁判所に申し立てるつもりだったのです。
その意思は固く、相続放棄の手続きが終わるのを待つことにしました。
約3ヶ月後、契約を行うことができ、買主さんのローン審査の関係で最後の決済まで1ヶ月かかりました。
石橋さんは、まだこれから住宅ローンの支払いが苦しくなるという時に相談いただいたので、最初の相談から決済までは何と約1年。
結局、買主さんを見つけてから解決まで4ヶ月。
今回、何より助かったのは、買主さんが4ヶ月もの間、心変わりせず、じっと待っててくれたことです。これには本当に救われました。
あの時、勇気を出して浜崎さんに相談していなかったら、今頃どうなっていたか想像したくないですね。相談して本当に良かったです。また、今回多くの方に協力していただき、みなさまには本当に感謝しております。
決済の日、石橋さんとお母さんは本当に安堵の表情を浮かべていました。
この1年以上の間、自宅が競売になる恐怖と戦いながら、引越も行い、遺産分割協議のために親戚に何度も電話し、頑張ってきたのです。
そして、石橋さんたちだけでなく、今回、決済に集まった関係者は皆、笑顔でした。
遺産分割協議を進めてくれた司法書士の方、債権者の方、買主の仲介業者の方、皆さん何とかこの話をまとめようと必死で動いて来たこの1年でした。