会社の事故で壊れた車の修理が自己負担……。学費負担が大きくなったタイミ…
沢田 健一(仮名) 様 59 歳 運送業
相談者 | 高田健一(仮名) 様 |
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年齢 | 72歳 |
職業 | 自営業/文房具屋 |
家族 | 妻(69歳)、娘(40歳) |
住所 | 神奈川県横浜市 |
税金の滞納を解消したい。第三者に売却してしまうとその1階で営んでいる文房具屋での商売ができなくなるので、そのまま賃貸で借りたい。
高田さんのご自宅は1階に店舗部分があり、そこで文房具屋を営んでいらっしゃいます。
近隣の小中学校の教科書の販売なども一手に担っているのですが、少子化および文房具等のネット販売などのあおりを受けて年々経営が厳しくなる状況に。
利益が全く出ないため、ついつい預り消費税にも手を出す始末。度重なる税務署との約束も反故にし続け、ついに抵当権の実行で全額回収するという最後通牒を言い渡されてしまいました。
現在住宅ローンの支払いは月々15万円、消費税等の支払い(税務署との分納計画)で月々15万円。
高田さんはリースバックをご希望され、上記の支払いがなくなれば、15万円位の家賃なら支払いは可能とのこと。
高田さんにとってご自宅を手放すことは、イコール仕事を失うことです。なんとしても成功させなければなりません。
ご自宅の概要は以下の通りです。
相場2000万円 住宅ローン700万円 消費税700万円です。
早速投資家の方にご相談をしたところ、1500万円で家賃13万円ほどであれば検討可能とのことでした。この金額であれば十分リースバックでの解決は可能です。
しかし私はひとつ不安を感じました。それは13万円というお家賃です。たしかに現状ではお支払いは十分に可能です。しかし13万円のお支払い自体は高田さんと奥さんが一生懸命働いてようやく支払えるもの。
自営の方にはよくあるお話ですが、高田さんご夫婦は極端に年金が少ないのです。これだと何かハプニングが発生したらすぐに家賃は滞り、退去を余儀なくされてしまいます。
そこで私は娘さんに親族間売買のお話をすることをご提案しました。最初は高田さんおよび娘さん両方困惑しておりましたが、①支払いが厳しくなった時に娘さんなら相談も可能なこと、②支払金額自体が9万円ほどになること、③仕事を辞めてお引越しをするとなったら相場で売って手元にお金が残る可能性があることをお伝えしました。
娘さんは今までも困った時にお金を貸すなど援助をしていたので、感情面でなかなか協力に踏み込めないでいました。しかし、冷静に考え親族間売買の方が家族全体としてメリットが多いと判断され、最終的には決断して下さいました。解決されてからは老後の資金のためにとご夫婦で一生懸命貯金をされて過ごしているそうです。
税務署から競売をかけると言われた時は絶望しきっていました。消費税については返したいけれど返せる金額ではないし、老後のことも心配、商売が上向く可能性もほとんどない。しかし苦肉の策でリースバックのご相談をさせていただきましたが、思いもよらない親族間売買という方法で現在の税金の問題と将来の老後資金の問題を同時に解決していただきました。私達がいくら考えても思いつかなかった方法をご提案くださり感謝してもしきれません。
ご家族の間ではよくあることですが、過去のやり取りでこじれた感情が原因で、理屈では子供が協力した方が良いとわかっていながらもなかなか踏み込めないケースが見受けられます。今回のケースでも同様でした。私達のもとにいらっしゃるご相談者の皆様は目先の問題を解決することに終始してしまいますが、プロである私達がしっかり導いてあげなければいけません。その点はこれからも肝に銘じていかなければならないと思います。