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工場と自宅を継続して利用できる方法はないですか?
助けて下さい。会社を経営しています。工場と自宅を継続して利用したくて相談します。
工場は事業用融資、自宅は住宅ローンを借りています。両方とも同じ銀行です。長引く不況の影響で資金繰りの苦しい状況が続いています。来月から支払いが出来なくなります。金融機関に相談したところ、競売をすることも示唆されました。
工場を失うと会社の存続ができなくなり、収入源がたたれます。自宅についても、高齢の妻の両親がいてますので、妻は引っ越すことなど考えられないといいます。なんとか、工場と自宅を継続して利用する方法はないでしょうか?
住所不明/T・Yさん(男性)
回答日:2015年3月5日
ご質問ありがとうございます。今の段階では、借入金の残高やお待ちの不動産の価値が分からないので、なんとも言えないところです。ただ、工場と自宅を残す方法はあります。リースバックと呼ばれる手法で継続利用できます。仕組みは次のような流れです。
1 . 工場及び自宅の市場相場を調査する
2. 債権者に残債額と抵当権抹消価格を調査する
3. 投資家に売買金額を提示し、投資を募る
4. 売主、買主、場合によっては債権者を交えて協議する
5. 契約、決済をして完了
この場合、所有権は一旦、失ってしまいます。これに抵抗を示す方がいらっしゃいます。ただし、所有権を手放すことで得られるメリットもあります。
1. 貸借対照表の固定資産が軽くなり固定比率、固定長期適合率が低くなり、金融機関の評価が上がる
2. 借入金の返済がなくなるので、キャッシュフローが改善することもある
3. 賃料は経費になるので、節税対策になる
4. 固定資産税などの支払いがなくなる
5. 工場の競売を回避でき事業の継続が可能になる
以上のようなメリットがあります。
また、事業は継続するわけですから、社員さんの生活に何か支障をきたすこともありませんので、社員さんたちの士気の低下にもならないでしょう。
ちなみに、自社所有の不動産を売却して、賃料を払うというこの手法は大会社でも用いられます。経営危機をむかえた日産自動車やソニーなども本社ビルを投資ファンドに売却し、賃料を支払って事業を継続して行っています。規模は違えど、仕組み(スキーム)は同じです。
もちろん、事業が軌道にのってきたら買い戻すことも可能です。
いずれにしても、事業の将来性と工場、自宅の継続利用と合わせて考えられることをおすすめします。来月から支払いが困難になることは事実のようですので、ご希望を叶える為に、早目は早めに行動されたほうが良いでしょう。