資金繰り果てに、競売を回避してリースバック(その2)
こんにちは、全日本任意売却支援協会の浜崎です。
前回の続きになります。
松尾さんは、また滞納してしまうと、再び競売になることが
分かっていたので、今度は融資でなく売却して返済し、賃貸で借りられない
かと思いました。
そんなとき、リースバックのことを知り、当協会にご相談に来られました。
今までの経緯を聞き、残債務の額を確認すると、自宅の市場価値の
かなりギリギリまで融資を受けていました。
諸経費も含めて売買額を計算しましたが、投資家が検討できる金額を
少し上回っています。
さらに、松尾さんの毎月返済できる金額も限度がありますので、売買の金額、
家賃の設定共に投資家の見つかる可能性が厳しいものでした。
唯一、良かったのは松尾さんの自宅は人気のエリアの最寄り駅から徒歩圏
のマンションでしたので、築年数は古かったのですがニーズはありました。
すぐに投資家を探す準備をし、松尾さんにはご家族に上手く行かない場合
の話を必ずするようにお願いしました。
相談者の中には最後まで家族に状況を隠す方もいらっしゃいます。
しかし、上手く行ってもいかなかったとしても、後でその事実を家族が
知った時には、不信感で家族自体がバラバラになることが多いのです。
家は守れても家族がバラバラになってしまっては何の意味もありません。
投資家に当たっていく中で、やはり債務の額がネックで、家賃が松尾さんの
希望額より多い方がほとんどでした。
松尾さんに途中で報告した際も、松尾さんも早く安心したいので高い家賃でも
お願いしたいという意向でした。
しかし、それでは数か月でまた家賃が滞納し、今度はすぐに退去しなければ
ならなくなるので、安易に無理な条件に妥協しないようにお話しました。
その後、1カ月ぐらい探し続けて、ようやく希望条件に合う投資家が
見つかりました。
松尾さんは家族にも事前に状況を伝えていたので、投資家が見つかって
家族みんなで大喜びしたそうです。
やはり、悪い状況ほど早く家族に伝えて正解でした。
家族に早く伝えることで、松尾さんも心の重りが半分になったとおっしゃって
いました。
その後、松尾さん自身も家賃保証会社の審査が通り、無事に決済を終える
ことが出来ました。
松尾さん家族はまた一から努力して、将来自分たちの家を買い戻せるよう
頑張っています。
今回、松尾さんは私のアドバイスを聞き入れてくださり、家族に状況を説明しました。
しかし、場合によっては家族の関係がギクシャクする場合もあるかもしれません。
厳しい言い方かもしれませんが、危機を伝えて家族が壊れるなら、一時的に
家を守っても、いつかは壊れる関係だったと思います。
お金の問題関係でしかつながっていなかったということです。
だから余計にお金のことだけに囚われず、目の前にある家族の本当の問題
を大切に考えて欲しいと思います。
おわり
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