任意売却の専門相談員として伝えたいこと

こんにちは、全日本任意売却支援協会・専門相談員の松山です。

 

毎日、当協会には多くのご相談者からお問い合わせが寄せられております。

そのご相談内容は、「今は大丈夫だが将来が不安で・・・」というものから「住宅ローンを滞納して半年が経った・・・銀行から競売と言われた」という切羽詰まったご相談まで多岐にわたります。

 

20180214

 

そこで、任意売却の専門相談員として皆さんにお伝えしたいことがあります。それは“現在の状況を正しく知ってほしい”ということです。

 

なぜなら比較的多くの人が、やみくもに不安を抱えたり、または、根拠なく大丈夫だと判断したり、感覚的に捉えているからです。

 

また、「何も考えたくない」と現実逃避する方もいます。住宅ローンの問題、税金の問題、仕事の問題、そして、家族の問題。いくつもの問題を一身に背負い、そのまま何もできず、成すがままに家を取られ、仕事は上手くいかず、家族は別れる・・・

 

現実的には、住宅ローン問題を抱えた多くの方がこのようになります。

 

しかし、一方で新しく再スタートを踏み出した人がいるのも、現実です。この方たちに共通しているのは「これだけは守りたい」という強い気持ちです。

 

例えば、「仕事はまた見つければ良い、でも、家だけは守りたい」または「子どもには何の責任もない。だから、家族のために住み続けたい。」という気持ちです。そう考えている人は笑顔で再スタートしています。

 

それでは具体的に、現在の状況を正しく知るということを解説します。任意売却をするにはタイムリミットがあります。それも踏まえての解説です。

 

1.住宅ローンの滞納前

 

この段階ではありとあらゆる手段が取れます。がんばって返済を続けることも、ギブアップして任意売却をすることを考えることも、リースバックで住み続けることを考えることもできます。

 

ただし、5年後、10年後を見据えてください。そうした場合に、住宅ローンを返済し続ける自信がないならば遠慮なく専門家に相談すべきです。

 

2.住宅ローン滞納後1~3カ月

この段階の人は、毎月の返済がすでに苦しい状況です。また、ボーナス払いをきっかけに返済ができなくなった人も多くいます。しかし、まだこれは初期段階です。生活を圧迫しない家計を保てるのであれば、遅れながらも返済を続ける道があります。

 

また、余裕はなくとも、任意売却するか、リースバックをするか、家族と話し合ってじっくり考えることもできます。

 

任意売却やリースバックをする場合、できればこの段階までに決断・依頼することをおすすめします。というのも、住宅ローンの滞納後およそ4~6ヶ月後に金融機関は競売を申し立てるためです。

 

3.住宅ローン滞納後4~6ヶ月

この段階では、おそらくもう通常通りの返済に戻すことができない人がほとんどでしょう。銀行からも一括返済期限の利益の喪失代位弁済など厳しい内容の督促が届き、“時間切れ”を伝えられます。

 

つまり、早急に任意売却をするか否か決断するのが良いでしょう。というのも、すでに“待ったなし”の状態です。

 

競売が申し立てられる前に任意売却の申し出をすれば、多くの金融機関は一定期間、競売の手続きを止めてくれます。任意売却をするための期間を設けてくれるのです。

 

4.競売の申立て後

裁判所から競売開始決定通知が届いた、あるいは、裁判所の執行官が現況調査に来た段階では、競売を取り下げる方法は2つしかありません。

 

1つ目は、住宅ローンの残債務を全額返済する

2つ目は、任意売却をする

 

住宅ローンの残債務を全額返済することは、現実的には難しい場合がほとんどです。よって、皆さん任意売却することを選択されます。まだ、間に合います。

 

5.競売の申立て後3~4ヵ月

 

競売が申し立てられてから、およそ3~4か月後に入札日が来ます。入札とは、競売で競り落としたい人が購入希望金額を書いた用紙を裁判所に提出することです。

 

この入札日をもって任意売却をすることができなくなります。多くの金融機関がこの日以降の任意売却を認めないからです。

 

以上のように、ご自分の状況を段階的に、かつ、できるだけ正確に捉えることで、無駄な不安や根拠のない自信を持たなくてすみます。

 

ただし、上記は目安にすぎません。お借入先の金融機関によっては対応が異なりますので、しっかりと専門家にご相談ください。

 

 

任意売却とは

≪任意売却に関するページ≫

  1. 任意売却のデメリット
  2. 任意売却の費用
  3. 任意売却後の残債務について
  4. 任意売却によるリースバックで住み続ける

≪任意売却Q&A≫

  1. 住宅ローン以外に、複数の借入れがあります。任意売却はできますか?
  2. 手元に現金が無くて引越しもできません。それでも任意売却は可能ですか?
  3. すでに他社へ任意売却を依頼していますが、相談してもいいですか?