努力の甲斐なく競売になってしまった事例(2)

こんにちは。

全日本任意売却支援協会の浜崎です。

 

前回の続きになります。

任意売却に向けて努力していたものの、競売になってしまったケースです。

 

今回、佐久間さんの住宅ローンは残り1700万円

その他に滞納税が120万円もありました。

 

 

競売回避

 

 

佐久間さんの自宅の相場価格を調べると、リフォームして1500万円

ぐらいなので、現状のままだと1300万円がギリギリという状況でした。

 

 

裁判所の評価額は440万円で、評価額の元になった一般的な価格は、

740万円でした。

 

 

競売の申し立て費用や任意売却の諸経費を考慮しても、購入価格が

1000万円であれば債権者にも任意売却のメリットが十分にあると思われました。

 

 

今回当協会にて買主を探した結果、相場価格に近い1300万円

購入希望者が無事見つかりました。

 

 

そして、購入申込書を基に債権者と話をした時のことです。

 

 

担当者の話では、具体的な金額は言えないが、本部の見解では、

佐久間さんの自宅の評価は1300万円ではなくもっと高く見ている。

現場担当としては今回とても良い金額の買主さんだと思うが、すべて

本部の判断になるので何とも言えないとの回答でした。

 

 

その後も本部へ稟議を挙げてもらう等出来ることはすべて行いました。

 

 

しかし、最終的には1300万円では任意売却に応じることは出来ない

の一転張りで、結局今回の買主は購入することが出来ませんでした。

 

 

その後も、何人か同等か少し価格の高い購入希望者が現れましたが、

毎回債権者の本部の審査により価格が応諾出来ないと断られ続けました。

 

 

そして、最後は入札に間に合わず、競売になって落札されてしまったのです。

 

 

競売

 

 

 

後日、開札の日、私は競売の結果を確認しました。

そして、そこには驚くべき結果が記されていました。

 

「売却基準価格440万円、入札人数12名、落札金額1000万円」

 

何と当協会の探した購入希望者より300万円も安い金額でした。

諸経費を差し引いても、かなり借り入れ金を返済できるはずです。

 

 

確かに、今回の競売は売却基準価格(440万円)の2倍以上になりました。

 

 

そして、もしかしたら、それ以上になる可能性もあったかもしれません。

 

 

しかし、多くの競売が売却基準価格の1.5倍前後になることが多いことを

鑑みると、1300万円の購入希望者を拒否するのはリスクがあったのではと

思えるのです。

 

 

ましてや、任意売却を行っていれば、佐久間さんの債務が確実に早く多く

返済できるので、債権者・債務者お互いにメリットはあったと思います。

 

 

開札後、佐久間さんは引越しもしなければならず、競売のショックと

引越の準備で大変な日々を過ごしました。

 

 

結局、債務は住宅ローンが700万円残り、

滞納税が120万円そのまま残りました。

 

 

佐久間さんはこれからも2つの仕事を掛け持ちしながら、

残った債務と滞納税の返済を続けていく日々が続きます。

 

 

今回、佐久間さんのご自宅は本当に競売になるしか

なかったのでしょうか?

 

 

債権者の本部の判断がどう動いたかは分かりません。

ただし、任意売却をするかどうかの最終判断は、

債権者が握っていることを、痛感するケースでした。

 

それでも、私は、任意売却が債権者・債務者両者にとって、競売よりも

良い解決方法だと思うのです。

 

これからも、ひとりでも多くの方を競売から救いたいという思いを

さらに強く持ち、任意売却の活動を続けたいと思います。

 

 

 

おわり

 

 

競売までのスケジュール

すでに裁判所から通知が届いている方

 

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≪任意売却に関するページ≫

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≪任意売却Q&A≫

  1. 住宅ローン以外に、複数の借入れがあります。任意売却はできますか?
  2. 手元に現金が無くて引越しもできません。それでも任意売却は可能ですか?
  3. すでに他社へ任意売却を依頼していますが、相談してもいいですか?