住宅ローン返済のために借金を重ねた方のリースバック(その2)
こんにちは。任意売却コンサルタントの浜崎です。
前回の続きです。
当初、保証会社への返済が少なくて済みそうで、容易に投資家も
見つかる見込みでした。
ところが、保証会社の応諾条件が途中で変わり、当初より返済額が上がりました。
債権者は競売も辞さない姿勢でしたので、その厳しい条件で投資家を
探さなければならなくなりました。
飯田さんの自宅は最寄駅から10分程度の閑静な住宅街にあり、
間取りもファミリータイプでしたので、ニーズはありそうでした。
しかし、実際に伺ってみると、築20年以上が経過しており、かなり
老朽化が目立っていました。
投資家にとってはマイナス要因ですが、リースバックとしては十分に
投資対象になる立地でしたので、多くの投資家に紹介を行いました。
結果として3法人より購入申し込みをいただき、その中から飯田さんと
相談してきめることになりました。
皆さん条件は三者三様でしたが、一番希望に近い投資家は家賃が8万円でした。
飯田さんの希望は7万円でしたので、この差額の1万円がネックになりました。
しかし、もし今回の申し出を断っても、すぐに条件に適う投資家が見つかる
保証もなく、このままでは遅延損害金の加算や競売申立費用の追加もされるので、
8万円の条件でお願いすることになりました。
投資家の方もとても良い方で、前家賃等の初期費用もかなりの金額になるので、
家賃の初月分を無料にしてくれました。
その後、飯田さんは無事決済を終えることが出来ました。
保証会社も順調に話が進んだので、競売の申し立てを行いませんでした。
飯田さんは住み慣れた自宅に引き続き住んでいます。
今は、残りの債務がトータルで800万円ほどあるので、弁護士と相談して
少しずつ返済するか、自己破産するかを検討しているところです。
<リースバックを終えた飯田さんからいただいたアンケート>
飯田さんは結局、今回の事を一切ご両親には相談しませんでした。
ご両親には心配をかけたくない、迷惑をかけたくない。
それが飯田さんのたっての希望でした。
しかし、無事決済が終わったとき、私は飯田さんに一度だけ聞きました。
「飯田さん、今回無事にリースバック出来て本当に良かったですね。
でも飯田さんがこんなに苦しんでいることをご両親は知らないんですよね。
もし、飯田さんが逆の立場で、自分の子供が借金で苦しんでいるとしたら、
知らないままがいいですが、それとも打ち明けてもらう方がいいですか?」
「………」
飯田さんは下を向いて黙っていました。
その目には涙が浮かんでいました。
本当はご両親にすべて打ち明けたかったんだと思います。
でも心配かけたくない一心で我慢したのです。
ご両親も高齢なので、相談されても何もできなかったかもしれません。
でも私も親になってから分かりましたが、何も出来ないかもしませんが、
それでも我が子の為なら何か必死でしてあげたいのが親なんです。
子供がいくつになってもその思いは変わらないのです。
飯田さんもいつかご両親に打ち明けて、その時初めて心が解放されるのでは
と思いました。
おわり
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