熟年離婚・・・任意売却でそれぞれの人生へ。

こんにちは。全日本任意売却支援協会の専門相談員の浜崎です。

今年は暖冬と言われていますが、お住まいの気温はいかがでしょうか。

当協会の東京オフィスがある丸の内でも、やはり気温が高く、元日からずっと10℃を超える日々が続いています。

さて、先日、任意売却を完了された方のお話です。

菊池正子さん(仮名、63歳)は都内のマンションに、ご主人と二人暮らしでした。
60歳でご主人は役所勤めをリタイアされ、お子さんは2人とも独立。住宅ローンは、あと5年で完済というところでした。

 

これだけ見るとすごく幸せそうなのですが、実はそうではなくて、1年前くらいから家庭内別居をしていたとのことです。

 

60歳で定年したご主人が家にいる生活。今まで仕事でほとんどいなかったのに、毎日ずっと一緒にいる生活になった途端に、何をするにも監視されているようで、正子さんは息苦しさを感じるようになったのです。

 

徐々に気持ちも離れ、正子さんは「うつ状態」に。
ご主人と話し合った結果、離婚しようということになりました。

 

今、よく言われている「熟年離婚」です。

 

当協会に、最初にご相談にいらしたとき、ご主人と奥さんが一緒にいらっしゃったのが、印象的でした。

お二人でにこやかにお話もされており、「離婚」という感じは全く受けませんでした。

 

そのお二人のご希望は、ご自宅を売却し投資家さんに買ってもらい、奥さんが家賃をお支払いして住み続ける、リースバックというもの。
ご主人は、もともとの実家である北海道に帰られるとのことでした。

 

ご相談を頂いてすぐに、私のほうで住宅ローンを支払っている銀行と話し、リースバックで進めていくことになりました。

30年住んだマンションということで、資産価値が少し問題になりましたが、なんとか協力して頂ける投資家さんも見つかり、奥さんが住み続けられることになりました。

 

先日、そのお宅にお邪魔する機会があったのですが、奥さんはそのマンションに、お一人で伸び伸びと暮らされていました。

 

「わがままを言って、申し訳ありませんでした」

「この度は、ありがとうございました」

 

私が気になっていた「家を売却した後」ですが、ご主人とは正式に離婚して、その後は一切、連絡を取っていらっしゃらないそうです。

 

今回、菊池さんたちが取った選択は、一見すると寂しさも感じますが、当事者同士にしか分からない問題もあって、夫婦や家庭には色々な形があるのだと思いました。

ただ唯一言えることは、ずっと悩んでいるよりも、行動してお互いの納得のいく形を成就させた菊池さんの今は、とても幸せそうだったということでした。

 

終わり

 

離婚前後の住宅ローンの問題は任意売却で解決