借地権付きの建物のリースバック(1)

こんにちは、任意売却コンサルタントの浜崎です。

 

卒業式や入学式、入社式など人生の節目の出来事を迎える春になりました。

春の温かな風と共に希望を胸にキラキラとした笑顔の若者が街を

歩いている姿を見ると私も新鮮な気持ちになります。

 

さて、リースバックをご希望の方の中には、借地権付き建物

所有されている方からの相談も数多く寄せられています。

 

 

借地権とは、分かりやすく言うと、

「他人の土地を借りて、その土地に自分の建物を建てられる権利」のことを言います。

 

借地権イラスト

 

土地の所有者には、毎月地代(土地を借りる家賃のようなもの)を支払います。

 

借地権のメリットとしてあげられるのは、

①土地の固定資産税がかからない

②所有権を購入するより安く、借地権の権利を売却する事も出来る

等があります。

 

ただし、建物は自分のものでも、その下の土地は他人のものです。

 

 

デメリットは、地代の発生や地主との間に

様々な制約が発生してしまうという点が挙げられます。

 

 

 

今回はリースバックで無事に競売を回避することが

出来た東京都にお住いの伊藤さん(仮名)の話をご紹介します。

 

伊藤さんは都内で電子部品加工の会社を家族で営んできました。

 

電子部品

 

 

昔は大手企業からの仕事の発注も多く、業績は順調でしたが、

中国や東南アジアの台頭により、仕事が次第に海外に奪われ、

数年前から自転車操業の状態になりました。

 

 

このまま会社を続けても借金が膨らむばかりで、将来に希望の

持てないことが分かった伊藤さんは、会社を畳む決心をしました。

 

 

しかし、会社と個人の破産をすると、自宅も競売になってしまい、

親の代から住んでいるこの土地を離れなければならなくなります。

 

 

奥さんと共に70代になった今、住み慣れた家と土地を出ていくのは

精神的にとても辛く、何とか住み続ける方法がないかと模索していました。

 

 

借り入れのある銀行に相談しても、貸したお金を返せの一点張りで、

今にも競売の申し立てをしようという勢いです。

 

 

ほとほと困った伊藤さんは以前から面識のあった弁護士に相談しました。

 

 

弁護士は債務については自己破産しかないが、自宅に住む方法は

リースバックという方法があると教えてくれました。

 

 

伊藤さんはそんな素晴らしい方法があるならと、弁護士を通じて

ご相談にお見えになりました。

 

(つづく)

 

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