「妻の借金と任意売却」~後編~

こんにちは、任意売却コンサルタントの浜崎です。

今日は、前回の話『「妻の借金と任意売却」~前編~』 の続きをお話します。

「妻の借金と任意売却」~前編~

当初、山下さんは住み続けたい気持ちが強く、リースバックを希望されました。収入は息子さんと2人で約30万円あるので、家賃の支払いも何とか出せるギリギリまで頑張りたいという事でした。

そこで、たくさんの投資家に山下さんのご自宅の紹介を行いました。……2週間後、その中の数社から条件提示がありました。

 

ところが、その中で一番良いものでも1,800万円が最高額でした。まずはその価格で保証会社と交渉を開始しましたが、保証会社では全額の回収を見込んでおり、1,800万円では一切応じない姿勢でした。それどころか、元金と遅延損害金に加えて競売の申し立てにかかった予納金も全額(総額2,350万円)支払うよう求めて来ました。

 

その金額では投資家との条件も一切合わず、山下さんに再考をお願いしました。困った山下さんは古くからの親友に協力が出来ないか相談したそうです。その方が話を聞いてくれることになったというので、その方に必要な資金と条件を伝えました。ですが、やはり一般の方が協力してくれる金額をはるかに超えており、協力を断られました。

 

この時点で競売の入札まで残り1カ月を切り、山下さんは競売になることを避け、任意売却で自宅を売却したいという希望に変わりました。またこの時点で固定資産税や保険料も滞納額が多かったので、自宅に差押えがされていました。残された時間もあまりなく、急ぎ引っ越し費用や滞納している税金、保険料等も負担してもらえる買主を探す必要がありました。

 

幸いすぐに多くの候補の中から条件に合う方を探し、何とか見つけることが出来ました。

そして、競売の入札前に決済を行えるギリギリのタイミングで契約を行う事が出来ました。

 

次は山下さんの引っ越し先を探す必要がありました。ただ、なかなか山下さんの希望する条件の賃貸物件が見つからず、大変苦労をしました。一軒家からの引越だったので、荷物が大変多く、自宅にある荷物はほとんどの荷物は処分をしないと引っ越しが出来ない状態でした。それでもいくつかの候補物件に目星を付けて申し込みをしました。

 

ところが、賃貸入居の審査に通らず、引越先が決まらないという不安な日々が何日か続きました。そんな中、候補の中から1件の審査に通り、ようやく賃貸物件が決まりました。その後引っ越し業者の見積もりも取りましたが、引っ越しシーズンが始まっていることもあり、大変高い見積もりに予算をはるかにオーバーしていました。

 

そこで、山下さんの親戚の知人が個人でやっている引っ越し業者が見積もりをしてくれることになり、事情を聞いて破格の値段で引き受けてくれることになりました。かくして、いろいろな方の協力を得て、山下さんは無事に引越を終え、任意売却の決済も競売の入札日に無事取り下げることが出来ました。

 

決済の日、すべての手続きを終えた山下さんから大変ありがたいお言葉を頂きました。

 

山下さんも息子さんと一緒に、これからの人生を無理しないで仲良く生きて行くつもりですと仰っていました。

 

家を売却することにはなりましたが、住宅ローンや滞納税、保険料も完納出来、山下さんにとってはストレスの無い新しい生活をスタートできることが嬉しいようでした。

 

終わり