子どもの気持ちを守るために競売を避ける!
こんにちは、任意売却コンサルタントの浜崎です。
全日本任意売却支援協会には、子供の為に何とか競売を避けたい
という切実な思いの相談も寄せられています。
競売の為に突然引っ越しをしなければならなくなった場合、
子供にしてみれば理解が出来ず、友達にも説明が出来ません。
ましてや、近所に友達が多く住んでいて、いつもよく行き来
していると、ある日その家が売りに出されていたら、学校で
その家の子に根掘り葉掘り聞きたくなるものです。
今回は、そんな競売の申し立てに無事任意売却を完了し、
子供の生活への影響を最小限に抑えることが出来た、
神奈川県にお住いの君島さん(仮名)のお話です。
君島さんは工場にお勤めでしたが、昨年突然心臓疾患になり、
しばらく休職を余儀なくされました。
何とか、病気も治り、職場に復帰したのですが、休職中は収入が
激減し、こつこつ貯めていた貯金を切り崩して生活していたので、
住宅ローンの支払いも数か月滞ってしまいました。
奥さんも何とか生活を切り詰めてやり繰りしていましたが、
とうとう銀行から保証会社へ窓口が変わり、保証会社から
このままでは競売の可能性があると通告されてしまったのです。
さらに、税金も滞納があり、その遅延損害金の差押えも
自宅に入ってしまったのです。
君島さんが最初に考えたのは、子供たちの事でした。
競売になれば近所に知られてしまい、友達からもいろいろ
聞かれてとてもつらい思いをさせてしまうかもしれない…
自宅は売却してもいいから、何とか競売は回避して、
子供たちへの影響を最小限にしてあげたい。
そう思った君島さんでしたが、まずはどこに相談して良いかが
分からなかったそうです。
そして、いろいろなホームページで専門の会社を探していくうちに
当協会にたどり着いたそうです。
今回の解決しなければならないポイントは3つありました。
①保証会社が競売を申し立てるまで残り2カ月しか時間がないこと。
②保証会社の評価が高いことに加えて、税金の差押えもあり、
すぐに買主が決まる金額・条件でないこと。
③最終的に自己破産する予定があり、その費用も捻出してほしい
ということ。
とにかく、まずは購入希望者が見つからないことには始まりません。
債権者と条件をつめて販売活動を開始しました。
君島さんのお宅は、駅からも離れているものの、債権者の評価が高いので、
販売は少し時間がかかると予想されました。
案の定、内見を希望する方も少なく、販売価格の高さや、交通の
不便さが仇となり、中々良い話になりませんでした。
やがて販売開始から2か月になりそうな頃、ようやく久しぶりの内見
が入りました。
競売の申し立てはもう目前に迫っていました。
「今回内見をしてくれた人がダメなら残念ですが、今回競売の申し立て
がされて、競売と任意売却が同時進行になると思います。」
私は内見の前に君島さんに伝えました。
君島さんも今までの経緯が分かっているので、半ば諦め気味になっていました。
ところが、その数日後、内見した方からついに購入申込書が届いたのです。
ただし、申込金額は債権者の希望金額に達していませんでした。
そして、債権者と何度も交渉しましたが、どうしても債権者が
応諾するためにはあと100万円の買い上りが必要でした。
さらに、市役所に50万円の滞納税があるので、これを納付しないと
差押えの解除も出来ません。
そこで、この土壇場の状況でしたが、購入希望者に売買代金の
100万円の買い上りと滞納税の不足分40万円を出してもらえるよう
交渉しました。
この交渉がまとまらないと間違いなく君島さんの自宅は競売の申し立て
をされてしまうし、債権者の応諾価格がさらに上がてしまうかもしれません。
その後、残された時間がない中で、何とか購入希望者の了解も取り付ける
ことが出来ました。
今回の取引で自己破産費用も何とか捻出できることになりました。
2週間後、運命の決済日を迎えました。
君島さんは無事任意売却を終えることが出来たのです。
君島さんは、決済後、買主さんに涙ながらに感謝の言葉を述べておられました。
買主さんも、とても良い方で、君島さんのお子さんへの影響を考えて、
もし近所の方に何か聞かれても君島さんの話に合わせて下さると約束して
下さりました。
お子さんの友達には、お父さんの転勤で引っ越すことになった
という話をすることになりました。
君島さん達は、新しい家でまた家族仲良く新しい生活を始めました。
確かに家は失いましたが、大切なお子さんの心は守れたのではと
思います。
おわり
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