離婚後、忘れた頃に訪れる住宅ローンの返済問題
こんにちは。
全日本任意売却支援協会の谷口です。
最近、離婚によって生じる住まいの問題が非常に多くなっており、
ほとんどの方が離婚後自宅を売却されるケースが増えてきています。
しかし、離婚問題に加えて不動産の問題まで話し合うとなると
債務や権利など両者の主張が重なり、
一向に解決の方向へ進まないといった話をよく聞きます。
今回は鈴木さん(仮名・女性)のケースをお話しさせていただきます。
鈴木さんにはお子さんが3人います。
それぞれ高校生・大学生が2人とお金のかかる年代ですが
周囲の助けもありながら離婚後なんとか1人で育ててきたそうです。
離婚後数年たったある日、
銀行より鈴木さんに「住宅ローンの返済が滞っているのですが、、、、」
と一本の連絡があったそうです。
住宅ローンの返済に関しては
離婚時に元主人が養育費の変わりに支払いつづけると約束し
その後連絡はとっていなかったそうです。
鈴木さんは
どうしたらいいのかわからず、とりあえず銀行へ連絡したそうです。
しかし、銀行へ詳細を伝えると
「それでは法的手続き(競売)を取らせていただきます」
この一点張りで一切聞いてくれなかったとのことでした。
そして最後に、
「それが嫌なのであれば代わりに返済してください」とのことでした。
すぐにご主人さんへ事情を確認すると
「仕事がうまくいかず、収入がなくなってしまった」と
返済していない事実が発覚したそうです。
鈴木さんも働いているとはいえ、
住宅ローンを返済する余裕はありません。
そんな中、HPで当協会を見つけ来てくださった鈴木さんの希望は
「子供の為にもこの家に住みたい」でした。
鈴木さんのまっすぐな思いを聞き
私は「リースバック」という解決方法をお話しました。
鈴木さんからも
「自宅に住み続けられるのであれば」と
投資家を募集する方向でまとまり
無事自宅を残すリースバックで解決することができました。
後日、
そんな母を助けたいと、息子さんが将来的に自宅を買い戻すと
言ってくれたそうです。
住宅ローンの問題は、離婚後忘れていた頃に
突如やってくるケースも少なくありません。
離婚時に取り決めをしていたとしても、
5年後・10年後まで状況が変わらないという保証もなく
金融機関も待ってはくれません。
大切な自宅だからこそ、きっちりと話し合うことが必要になります。
おわり