任意売却!「抵当権の抹消が出来ない?!」

こんにちは、任意売却コンサルタントの浜崎です。

任意売却の際に抵当権者へ住宅ローン等の借入金を支払って
抵当権者を抹消しますが、抵当権を設定して長い年月が
経つうちに抵当権者の会社が無くなってしまっている場合もあります。

 

合併等で残っている場合は良いのですが、解散されている場合は
手続きに時間がかかったり出来なくなる場合があります。

 

今回は、抵当権者の会社が解散し、抹消が
出来なくなってしまった方からアンケートを送っていただきましたので、
ご紹介させていただきます。

アンケート

埼玉県にお住まいの黒瀬和弘さん(仮名・68歳)からの
メッセージです。

黒瀬さんは大手の会社でシステム営業として長年勤め、
奥様と息子さんを養ってきました。

定年退職後、息子さんも独立し、ようやく奥様とゆっくり
暮らせると思った矢先、息子さんが事故で大怪我し、その
後遺症で普通に働けない体になってしまったのです。

そのショックで奥様も精神的に病んでしまい、それから
寝たきりの生活が続いていました。

年金だけではとても3人が暮らせないので、黒瀬さんは
警備員の仕事と運送の仕事を掛け持ちし、休み無く働きました。

しかし、管理費の値上げや、ご自身の通院にもお金が必要で、
ついには住宅ローンを滞納する事態になってしまいました。

銀行からはこのまま滞納が続くと競売にかける旨の通知が届き、
黒瀬さんは思い悩んだ挙句、インターネットで色々調べていくうちに
私ども、全日本任意売却支援協会のホームページを見つけました。

黒瀬さんは面談後、先行きの不安と競売だけはなんとしても
避けたいとの思いから、任意売却をすぐに始めることになりました。

今回、住宅ローンも残債が600万円程で、
任意売却でも全額返済が可能でした。

黒瀬さんのマンションは築年数は古いですが、他のお宅よりも広く、
比較的きれいにお使いだったので、任意売却の販売活動を
開始して1ヶ月程で購入希望者が見つかりました。

しかも購入希望者は今回現金での取引を希望しているので、
抵当権者と話が完了すればあとはスムーズな契約と
引渡しのみという安心な任意売却が予想されました。

まずは1番抵当権者とはすぐに全額返済で話が
出来ましたので問題ありませんでした。

次に2番抵当権者との話をすることになった時、問題が生じました。

黒瀬さんは25年前、ある消費者金融からお家を担保に借入を
受けていました。

その借入は15年程前に全額返済し、抵当権抹消書類も
受け取って保管していましたが、法務局で抵当権抹消手続き
を取ってはいませんでした。

よくこの抵当権抹消書類自体を無くしてしまっている方は多いのですが、
黒瀬さんはしっかりと保管しており、後は2番抵当権者に
いくつかの書類に押印をもらうだけの簡単な手続きをするだけでした。

ところが、連絡先を調べていく過程で、その2番抵当権者の会社が
解散してしまっていることが判明しました。

しかも、解散手続きは12年ほど前に完了しており、
清算人の方が高齢になって、段々と亡くなっているとの
情報が入って来ました。

私が把握した時点で3名の清算人のうち、2名が
亡くなってしまっており、残りの1名も居住場所が
変わり、連絡が取れないとのことでした。

このままでは2番抵当権が抹消できず、任意売却が
出来ないことになります。

しかも、銀行側が競売の申し立てを待つ期間は残り
2ヶ月と通告して来ました。

その間に、抹消の手続きを取り、売買契約を行い、
決済を行う必要があります。

当初、買主側の司法書士も抹消の調査に協力して
くれましたが、この時点で今回の任意売却取引は、
自分にはもう手に負えないと、まさかのギブアップ宣言をして
今回の取引から降りてしまいました。

困った黒瀬さんと私は弁護士等にも相談し、任意売却の成立のために
必死で2番抵当権者の清算人を探しました。

すると2週間後、何とか最後の清算人の居所を
突き止めることに成功しました。

すぐに事情と抹消への協力をお願いし、2番抵当権の
抹消を先にすることにしました。

この時点で任意売却が成立できる期間である、
競売の申し立てまで残り1ヶ月でした。

その後2番抵当権を先に抹消し、売買契約をして、
引渡しを無事完了しました。

決済日、黒瀬さんからはたくさんの感謝の言葉をいただきました。
私も無事に任意売却が出来て本当にうれしかったです。

今回、債務を返済しているにも関わらず抵当権が抹消できない
可能性があり、それは他の相談者の方にもいつ起こるか分からない
という面では大変貴重な経験になりました。

不動産を担保に借入を受けた方で、例え完済したとしても抵当権を
抹消してない場合は、すぐに抹消手続きをとっておいてください。

今は大丈夫でも、もしかして、将来何かあった時に、取り返し
のつかない事態になるかもしれません。

私ども全日本任意売却支援協会は、いかなるケースであっても
最後まで諦めず任意売却の成立に向けて取り組みますので、
住宅ローンの滞納などお金のことについてご相談下さい。

おわり

 

任意売却とは

≪任意売却に関するページ≫

  1. 任意売却のデメリット
  2. 任意売却の費用
  3. 任意売却後の残債務について
  4. 任意売却によるリースバックで住み続ける

≪任意売却Q&A≫

  1. 住宅ローン以外に、複数の借入れがあります。任意売却はできますか?
  2. 手元に現金が無くて引越しもできません。それでも任意売却は可能ですか?
  3. すでに他社へ任意売却を依頼していますが、相談してもいいですか?