理由あってゴミ屋敷になってしまった方の任意売却
こんにちは、任意売却コンサルタントの浜崎です。
テレビでたまに荷物やゴミで溢れかえった家を片付ける番組を
見かけることがあります。
最初からゴミが溢れているわけではなく、様々な理由によって
少しずつゴミが蓄積して、ある時点を超えるともう片付けられない
レベルまで達してしまうようです。
そして、いわゆる「ごみ屋敷」になってしまうケースです。
全日本任意売却支援協会には、家が荷物やごみで
一杯になり、いわゆる「ごみ屋敷」状態になっている方からの
相談も寄せられています。
今回は「ごみ屋敷」状態になっても、任意売却によって、
滞納税金も完納し、きれいな家に引越出来たお客様をご紹介させて
いただきます。
千葉県にお住いの大島さん(仮名)です。
大島さんは若くして結婚しましたが、夫のDVで離婚を余儀なく
されました。
幼い子供2人を連れて逃げるように家を出た後、女手一つでいくつかの
仕事を掛け持ちし、必死に暮らして来ました。
子供が大きくなり、お金があまりかからなくなった頃、たまたま
ポストに入っていたマンション販売のチラシを見て、内見に行きました。
とても環境の良いマンションで、今のアパートの家賃を払うのと
金額もそう変わらなかったので、思い切ってローンを組んで購入しました。
それから5年は何事もなく、日々の生活が過ぎていきました。
ところが、5年たったある日、離れて暮らす大島さんの唯一の肉親
のお母さんが認知症になってしまったのです。
病院への通院やヘルパーさんの費用に多額の出費が発生し、
大島さんは通常の仕事に加えて深夜もアルバイトをしなければ
追いつかない生活になってしまいました。
それでも必死に耐えて頑張っていましたが、とうとう腎臓を悪くして、
入院しなければならなくなりました。
さらに、極度のストレスで顔面麻痺にもなりました。
回復までにはかなりの時間を要し、仕事も辞めざるを得なくなりました。
わずかな貯えも使い果たし、ようやく退院した時には、ローンも滞納
していました。
何とか再就職もしましたが、収入は以前の半分で、とても生活が出来ず、
昼だけでなく夜も働きました。
しかし、滞納したのは住宅ローンだけでなく、税金や管理費も多額の滞納
が発生していました。
おまけにお金に困窮した大島さんに高利で貸し付けをしようとする者まで
現われて、大島さんは精神的にも肉体的にも限界に達しました。
そして、ついに裁判所から競売の開始を告げる手紙が届いたのです。
裁判所の手紙を見た大島さんは、もうこれ以上は自分でどうしようも
出来ないことを悟り、インターネットで助けてくれるところを探しました。
大島さんはこのまま競売になることは絶対に後悔すると思い、
勇気を振り絞って当協会に相談のお電話をかけてくれました。
面談の時、大島さんは自宅がゴミで溢れているのと悪臭でとても
人様に見せられないとおしゃっていました。
しかし、たいていは皆さんがおっしゃるほど汚れているわけでは
ないし、ゴミの量も知れているので、大丈夫ですよとお伝えしました。
後日、私が大島さんの自宅を訪問すると、大島さんが言っている
意味が分かりました。
玄関を開けると、そこには私の想像を超える量のゴミが散乱し、当然
床は見えず、ここでどうやって生活しているのか不思議なくらいでした。
また、ペットの糞尿の蓄積した悪臭が部屋中に充満しており、換気しても
なかなかその臭いは無くなりませんでした。
大島さんにどうしてここまでゴミが溜まったのか、今までの経緯を聞きました。
毎日早朝から深夜まで働き詰めで、帰ってきてもとても片付ける気力が
湧かなかったのと、女で一人であることを見越して、自分をだまそうとする
人がたくさん寄ってきて人間不信になり、部屋に閉じこもるようになって
何もする気が起きなかったということでした。
最初は少しずつ荷物が増えていく程度でしたが、そのうち食べかすや、
買っていたペットの糞尿の世話もおっくうになり、最後は布団の敷いてある
ほんのわずかなスペースだけで生活をしていたそうです。
これはまた解決までに乗り越えることが多く、
大変な状況だと直感的に思いました。
(つづく)
≪任意売却に関するページ≫
≪任意売却Q&A≫