リースバックについて投資家が考えること

みなさん、こんにちは。

全日本任意売却支援協会の松山です。

 

本日はご希望の多いリースバックについて

投資家の皆様の考え方をお伝えしたいと思います。

 

 

相談

 

 

投資家の考え方を理解するということは

すなわち「リースバックの仕組み」そのものを理解することと同義語です。

 

 

まずは先日のブログではこのようなお話をしました。

皆さんが不動産投資の投資家だったらどちらの条件の物件を購入したいですか?

 

相場2000万円

A 購入金額1000万円 利回り8% 月額67,000円

B 購入金額1800万円 利回り8% 月額120,000円

 

どちらも同じ利回りですから、一見どちらでもいいかもと思うかもしれません。

しかし本当にそうでしょうか?今日は実際の数字を検証してみましょう。

 

例えば、Bの賃借人の方が退去を申し出したとします。

賃借人が退去した場合、投資家が取れる対応は2パターンです。

1つは売却1つは継続して賃貸です。

それでは今回は売却するケースで考えてみましょう。

 

投資家が売却したら利益はどのようになるでしょう。

まず購入するために支払った経費を計算してみましょう。

 

仮に固定資産税評価額を土地700万円・土地500万円

借入額を1500万円(融資事務手数料2.16%)とすると

 

(購入に係る費用)

  • 仲介手数料 売買代金×3%+60,000円(別途消費税)648,000円
  • 登録免許税(土地建物とも:固定資産税評価額×2%)240,000円
  • 不動産取得税(土地:固定資産税評価額×1/2×3% 建物:固定資産税評価額×4%)

305,000円

  • 司法書士報酬 約50,000円
  • 印紙代 10,000円

合計1,253,000円

 

(購入資金借入のための費用)

  • 登録免許税(借入額×4%)60,000円
  • 融資事務手数料(借入額×08~2.16%が一般的)324,000円
  • 司法書士報酬 約50,000円
  • 別途印紙代 10,000円

合計444,000円

諸経費合計 1,697,000円

 

Bさんは諸経費を含めて約1970万円の投資となります。

仮に2000万円で売却をするとなると

 

売却時の諸経費

  • 仲介手数料712,800円
  • 抵当権抹消費用(司法書士報酬含む)30,000円

 

差し引き約▲450,000円となります。

 

賃貸しているのだから賃料で回収できるではないかというご指摘もあります。

 

しかし賃貸にはその他様々なリスクが付きまといます。

 

賃料が滞納するリスク、退去時にお部屋の中が想定以上に荒らされているリスク

また最近問題になっております独居の方がそのお部屋で亡くなるリスク

さらには売却時に相場が下がるリスクなど。

 

また建物は経年劣化により価値は下落していきます。

その点はリスクというより不動産投資の性質に近いものですが。

 

投資家はこのように

リスク(上記に記載した様々なリスクや換金性の低さ)<リターン(家賃収入、労力、資金繰り、税金など)

を勘案して投資判断を下していきます。

 

一見投資家は安易に儲かりそうだなと思われる方も

いらっしゃるかもしれませんが、このように契約の裏側では

色々なことを考えていらっしゃいます。

 

参考になさってみて下さい。

 

おわり

 

リースバック

リースバック 関連ページ

 住み続ける方法(リースバック) Q&A

  1. 売却しても借入れは残りそうですが、住み続けられますか?
  2. 子どもの中学卒業までなんとか住み続けられますか?
  3. 高齢のためローンのない家をリースバックで住み続けたい。
  4. リースバックをすると不動産の所有者の名義はどうなりますか?
  5. リースバックの家賃はどうやって決まるんですか?