事業主の方は、税金の滞納をあなどるべからず

みなさん、こんにちは。

全日本任意売却支援協会の新井です。

 

今回は事業用不動産のリースバックについてです。

このブログを読んでいらっしゃる方の中でも

個人にて所有している土地の上に建物を建てて、自宅兼店舗のような形で

事業を営んでいる方は多いかもしれません。

 

 

印刷業を営んでいる2代目Aさんもそうでした。

1階は作業所、2階は事務所、3・4階を自宅として使用しており、

朝から晩まで仕事をしています。

 

工場

 

法人からの役員報酬として400万、法人からの賃料が月額40万円(1・2Fのみ)

しかし法人はここ最近ずっと赤字です。繰越欠損金も2000万円にまで膨らんでいました。

 

Aさんが亡くなったお父様から事業を継いだ頃は順調でした。

しかしいつからか出版不況の煽りを受けてなかなか利益が出ない状況が続きます。

 

給料をそのまま会社に貸し付けたり、子供や親せきにお金を借りたりしながら

お金のやり繰りをずっと何年も続けてきました。

 

住宅ローン兼事業用資金の借り入れをしている地元の信用金庫への支払いを最優先に、

個人の税金および法人消費税(毎年50万ほど)はほとんどほったらかしの状態。

 

なんとその額延滞税含めて個人の税金(市県民税・固定資産税)600万

法人消費税は500万円にもなっていました。

当然個人の税金については差押が入っております。

(当初は税理士に申告依頼していましたが税理士報酬の支払いも難しくなり、

途中からは自分で申告するようになります。)

 

 

しかしある取引先の売掛金の貸倒れが発生。

何よりも優先してきた地元信用金庫への支払いも滞るようになり、

ついに競売の申立がなされてしまいました。

 

当協会にご相談にいらっしゃったのはそんな最中でした。

 

Aさんのご希望は当然リースバック!

 

思いは切実でした。

自営業をしていらっしゃる方ならお分かりかと思いますが、

仕事場をなくすことはすなわち収入が途絶えることとイコールです。

 

しかしAさんはローンの残債が少なく、

売却すれば十分手元にお金が残る状態であったのが不幸中の幸いでした。

 

当初は当社ご紹介の投資家に購入していただく予定でしたが

個人事業主として独立している息子さんがいらっしゃると聞き、

親族間売買のご協力もいただけるということでしたので方針を変更。

 

 

当社にて融資先をご紹介。息子さんは新たに法人を設立する運びとなりました。

(法人設立はもちろん息子さんの判断です!)

 

そして息子さんが連れてきた税理士さんに確認いただきながら対策を講じます。


1)Aさん個人→不動産譲渡損失により翌期以降の税金が安くなる

2)役員報酬下げる→法人の欠損金があるため役員報酬は少なくても良い

3)法人→リースバックで賃料を毎月54万(消費税込)支払うことにより

 消費税額がほぼなしに!

 

また毎月の支払も長期でローンを組むことによって

10万円以上の減額となりました。

 

Aさんのように職人気質の人はほとんどの方が

経理や税務に対しては興味を示しません。

 

しかしせっかく汗して稼いだお金が

興味がなかったばっかりに税金に流れていくなんて本当に悲しいと思います。

(つい先日までは延滞税は14.6%でした。高過ぎます(怒)!)

 

みなさんも税金については督促が緩やかだからと看過せず

早めに専門家にご相談をなさって下さい!

 

おわり

 

 

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