任意売却で住み続けることができた事例です
こんにちは、
任意売却の専門コンサルタントの浜崎です。
全日本任意売却支援協会には、
「住み慣れた自宅に住み続けたい」という
リースバックのご相談が数多く寄せられています。
今回は任意売却の後、無事に自宅に住み続けることが
出来た埼玉県にお住いの木村さん(仮名)のお話です。
木村さんは、長年運送業の会社で働き、
奥様と三人のお子さんと5人で暮らしてきました。
今から15年前には中古の自宅も購入し、
住宅ローンも順調に返済をしてきました。
しかし、
お子さんも皆独立し、ようやく夫婦水入らずになった10年前、
奥様が病気で他界してしまいました。
木村さんは最愛の奥様を失った悲しみから、
しばらくは落ち込んでいました。
しかし、それを見かねたお子さんたちの勧めもあり、
5年ほど前に再婚をすることになりました。
また、新たな伴侶を得た木村さんは仕事を頑張りながら、
住宅ローンの返済も続けていました。
ところが、昨年、会社の定期健診で、
木村さんの胃に異変が見つかり急遽、
検査入院することになりました。
精密検査の結果、胃がんと判明。
しかも、ステージ4というかなり進行した状態でした。
木村さんはそのまま緊急入院となり、
家族全員が呼ばれました。
医者の意見では、抗がん剤治療をしても、
長くて1年・・・とのことでした。
木村さんに付き添っていた娘の順子さんは、
あまりのショックにどうして良いか分かりませんでした。
しかし、少し落ち着いて考えた時、このままだと父は働けず、
新しい母も事情があり働けないので、
いずれ住宅ローンが滞納し、
最後には競売されてしまうと思いました。
そこで、藁をもすがる思いで、インターネットで検索。
何とか父を最期まで自宅に住まわせてあげられる方法を探しました。
今回、初めて病院でお会いした時、
順子さんのお父さんに対する切なる思いを聞き、
何とかしてあげたいと私は思いました。
木村さんの自宅には、住宅ローンの抵当権が設定されており、
残債務は約500万円でした。
他にも税金の滞納が30万円あり、
市からの差押えも入っていました。
債務自体は多くないのですが、
ご自宅は昭和55年築で建物の価値が無く、
土地の価値だけでスキームを組み立てる必要がありました。
まずは、協力してくれる投資家をすぐに探すとともに、
仕事が出来なくても、家賃の支払いが継続できるよう、
役所とも連携しながら、生活保護の申請も行いました。
今回、興味を持っていただいた何人かの投資家と面談し、
その中から娘の順子さんの思いに賛同してくれた方に
ご協力をお願いすることになりました。
リースバックでは、
数年後に買い戻しを希望する方が多いのですが、
今回は買い戻しはせず、出来るだけ家賃を抑えてもらいました。
その結果、ご相談から1か月後というかなり早い期間で
任意売却を終えることが出来ました。
そしてリースバックの契約も完了。
そして任意売却で住宅ローンも全額返済し、
滞納していた税金も納付することが出来ました。
決済には木村さんも娘の順子さんと一緒に来ていただき、
投資家の方へ感謝の言葉を伝えることが出来ました。
今、木村さんは、長年住み慣れた家で、
奥さんと2人で穏やかな日々を過ごしながら、
少しでも長生きできるよう、抗がん剤治療を続けています。
近くに住んでいる順子さんも時々様子を見に行って、
お父さんとの大切な時間を一緒に過ごしています。
この仕事をしていて本当に良かったと思いました。
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