任意売却の失敗事例。家族の協力なくして任意売却の成功なし。
みなさん、こんにちは。
全日本任意売却支援協会の松山です。
任意売却が失敗する理由はいくつかございます。
金融機関が適正価格での売却に応じてくれない、
時間切れ、税金の滞納金額が多すぎて金融機関が経費として認めてくれないなど。
Aさんのご自宅についてもこういった可能性は十分にありました。
ご相談時の状況は以下の通りです。
相場:2000万円
住宅ローンの残債:2700万円
税金の滞納:250万円
相談時期:競売入札の5日前
本人の希望:引っ越し代が欲しい
一刻の猶予もありませんでした。
競売になった経緯など色々とお話をお伺いしました。
・10年前に奥さんの両親から300万円の援助をいただき
自宅を購入したこと。(所有権は100%Aさん)
・Aさんは奥さんの反対を押し切り、脱サラして飲食店を始めるも
全く客足が伸びず独立後間もなく収入が激減したこと。
・今回の住宅ローンの滞納については奥さんにずっと黙っていて、
気づいたら銀行から競売を申し立てられていたこと。
(息子の学費の用立てに回し、住宅ローンを滞納させたようです。)
Aさんには任意売却のご依頼をいただく上で以下の2点を
確認させていただきたい旨お伝えしました。
一、奥さんとお会いしてご希望の確認をさせていただき、
そのうえで当社にご依頼いただくこと
二、引っ越しの準備(進捗状況)を随時ご報告していただくこと
そうするとAさんは引っ越しの準備は手配しているので大丈夫だが、
奥さんは仕事の都合上面談は難しいとのこと。
私どもはAさんのお話をお伺いするに
「奥さん」のご意向は必ず確認すべきだろうと判断しました。
奥さんの立場だったら絶対にまず「住み続けたい」という
希望を持つだろうと考えたからです。
本来私どもは奥さんとお会いして
売却方針についてご主人のご意向で進めてよいかお伺いします。
家族の協力なしにはご自宅の売却はできないからです。
しかしAさんは大丈夫と言い切ります。
「住み続けるとなると住宅ローンよりも高い賃料になるはずだから
最初から無理。奥さんにもその話をして納得してもらっている」と。
時間も限られていたため、奥さんとお会いしてから
動いていてはとても間に合いまそうにありません。
そこで奥さんとお会いできないことに不安を覚えつつも
金融機関、役所、買主と交渉をスタートさせました。
そしてなんとか各々に無理を聞いていただき、
めでたくAさんの手元に60万円の引っ越し代を捻出する条件が
ご提示できたのです。
その後どうなったか・・・・・。
結果は競売となりました。
引っ越し代60万円のみならず、滞納していた税金も経費で納税できる予定が
そのまま残ってしまいました。
案の定奥さんからの反対が原因でした。
みなさんはこの内容をご覧になってどう思われましたか。
奥さんは住宅ローンが滞納していった経緯もそうですが、
自分自身の希望(住み続けたい)をもないがしろにされて
自宅の売却を進められたことにご立腹だったようです。
ましてや自分の両親が300万円も用立ててくれたのにも関わらずです。
人は感情の生き物です。
奥さんのご希望について理解を示したうえで
話を進めていれれば違う結果になっていたかもしれません。
奥さんも理屈はわかっているはずです。
しかしもう感情的にご主人のご意向を許せなかった。
任意売却では家族からの反対によって失敗する事例もあるのです。
みなさんには同じ轍を踏んで欲しくありません。
Aさんのケースを参考になさってみて下さい。
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