遺産分割の競売(前半)~問題発生からご相談まで~
こんにちは、任意売却コンサルタントの浜崎です。
私の実家では祖父母が高齢になって来た時に相続財産の問題で
揉めないように、事前に相続財産の確認と相続についての話し合い
を行ってきました。
まだ元気なうちから相続の話をするのはどうかと言う方もいると思います。
しかし、いざその時が来た時に何も準備をしていなければ、
相続人が多いほど揉める可能性が高くなります。
もし私なら、自分が亡くなった後に自分の子供たちが相続問題で
揉める所は絶対に見たくないです。
さて、今回は共有で相続したマンションを遺産分割で揉めたために
競売にかけられた方のお話です。
相談者は、東京都にお住いの金井さん(仮名)です。
金井さんの実家は昔からの地主で、東京郊外でずっと商売をしてきました。
ある時地元不動産屋からの提案で、祖父が実家の土地にマンションを建設して、
自分たちも等価交換で部屋を取得し、1階で今まで通り商売を続けることを
決めました。
しかし、いざマンションが完成する段になって、祖父が娘婿だった金井さんの
父の収入が不安定なことを心配して、金井さん達の部屋は、金井さんの父と
その姉(金井さんの叔母)で共有させることに決めました。
よって管理費は金井さん達が支払い、固定資産税は父の姉が支払うという
変わった共有関係で部屋の所有が始まったのです。
ところが、その2年後、金井さんの叔母が亡くなり、
その息子(金井さんのいとこ)が相続します。
しかし、相変わらず、共有関係はそのまま続き、
管理費や固定資産税の支払いは元のままでした。
さらにその8年後、今度は金井さんのいとこが亡くなり、
それをいとこの娘(金井さんの姪)が相続します。
しかし、相変わらず、共有関係はそのまま続き、
管理費や固定資産税の支払いは元のままでした。
ここで、金井さんの姪は自分がこれからも長い期間
ずっと固定資産税を負担させられることに不安を抱き、
金井さんに持分の買取や固定資産税の負担を求めて
話し合いの提案をしました。
しかし、金井さんからその相談を受けた金井さんの夫が
けんもほろろに姪の申し出を拒否したのです。
後から金井さんの夫に話を聞くと、姪が直接来てくれれば
話は聞いたそうですが、姪が代理人を立てて事を構えたので
それならと話し合いを拒否したそうです。
かくして途方に暮れた金井さんの姪は、代理人弁護士を通じて
共有物分割等請求の訴えを起こし、確定判決を得た後に、
金井さんと共有するこのマンションの部屋を競売にかけたのです。
裁判所からいきなり競売申立の通知を受け取った金井さん達は
びっくりしました。
まさか、自分の姪が競売を申し立てるとは夢にも思わなかった
からです。
しかも、夫婦そろって身体障害者なので、バリアフリーの部屋で
ないと生活がとても困難でした。
また、生活保護も受けており、このマンションを追い出されると
生活が非常に苦しくなることは明白でした。
ただ、どこに相談して良いか分からず、生活保護課の職員に
聞いても弁護士に相談した方が良いと言われるだけでした。
自分の家に住み続けたいのにそれが出来なくなる恐怖に
金井さん夫婦は眠れない日々を過ごしました。
一度は、姪の代理人弁護士に競売を取り下げて欲しい旨の
申し出をしましたが、姪の納得がいく条件を提示できない為
その申し出は拒否されました。
何とかこの家に住み続ける方法はないかと思っていた時、
金井さんの郵便受けに当協会からリースバックを勧める資料
が届きました。
資料を読むと、このまま自宅に住める方法が書いてありました。
しかし、初めて目にすることですし、すぐに信用して良いかどうか
金井さん夫婦には判断がつきませんでした。
それから具体的な解決方法が見つからないまま、競売の申し立て
から3か月が経過した時、金井さんはついに決断をします。
「このままでは競売で家を追い出されてしまう…
勇気を出して専門家に相談してみよう。」
金井さんは当協会の相談電話に勇気を振り絞って電話をくれました。
今までの経緯と金井さんの実情を電話にてお聞きし、私はすぐに
金井さんの自宅に伺いました。
(相続問題はケースが多様です。お気軽にお問合せください)
<相続に関するページ>
<相続に関するQ&A>