遺産分割の競売(後半)~ご相談後から解決まで~

こんにちは。全日本任意売却支援協会の浜崎です。

昨日の続きです。

 

私は金井さんから事情を伺った後、金井さんの姪の

代理人弁護士にも連絡を取り、話を聞きました。

 

今回は金井さんからの相談でしたが、両者の話を

聞いてみると、姪の主張することも一理あり、ほんの

少しのすれ違いが段々大事になってしまったという感じでした。

 

相続問題

 

今回のポイントは、4つありました。

 

金井さんの姪は今回の取引で自分の持ち分を手放し、

金井さん夫婦とは一切の関係を断ちたいという意向であること。

 

また姪は自分の持ち分を市場相場に照らして、正当な金額で

買い取ってもらいたいという意向であること。

 

姪が相続してから支払った固定資産税のうち、金井さんの持ち分

相当額を返金して欲しい意向であること。

 

金井さん達は引き続き自宅に住み続けたいが、家賃は生活保護の

補助の範囲内でしか支払えないこと。

 

 

当初は、姪に金井さんの持ち分を買い取ってもらい、金井さん夫婦に

生活保護の補助の範囲内の家賃で賃貸してもらえないかと提案しました。

しかし、姪は金井さん達との関係を一切断ちたいという思いが強く、

その提案は拒否されました。

 

そこで、次に、投資家でそれぞれの持ち分を購入し、金井さん達に

生活保護の補助の範囲内の家賃で賃貸してもらえる方を探すことに

しました。

 

問題は、両方の持ち分を買う費用と家賃設定のバランスです。

どうしても生活保護の補助の範囲内という制約があるので、

なかなか条件に合う投資家を見つけるのは苦労しました。

 

そして金井さんの姪とも代理人弁護士を通じて何度も交渉し、

何とか金井さん達が住み続けられる家賃の範囲に収まる

条件を引き出すことに成功しました。

その結果、何とか協力してくれる投資家も見つけることが出来ました。

 

後は、細かな条件を詰めるだけでしたが、問題は賃貸の条件が

金井さん達が家賃保証会社の保証を受けられる事でした。

金井さん達は年金生活をしており、身体障害者で生活保護も

受給していたので何とか保証会社の審査を通過することが出来ました。

 

その後、すぐに契約を行い、競売の入札が始まる1か月前には、

決済を無事に終えることが出来ました。

 

帰り道、金井さんと話しながら駅まで帰りましたが、本当に安堵の

表情を浮かべていました。

 

金井さんはこう言いました。

「もし、あの時勇気を振り絞って相談しなかったら、私たちはあの家を

追い出され、生きる気力も失っていたかもしれません…

昔は仲良かった姪とも、もう直接話も出来なくて…本当に今までの

ことを後悔しています。

もしまた昔に戻れるなら、父やいとこともっと話をして、先に色々決めて

おけば良かったと思います。」

 

日本全国、どの家庭でも同じようなことが起こりうる相続問題。

後でいいかと先送りにすることで、さらに問題が大事になる場合もあります。

自分の子供たちに嫌な思いをさせないのも、親の務めかもしれません。

 

おわり

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