公正証書を作成したのに住宅ローンを払ってくれない!
皆さんこんにちは!
全日本任意売却支援協会の康原です。
離婚にまつわるご相談の中で、
「公正証書を作成したのに約束が違う!」という声が聞かれます。
公正証書とは、離婚をするときに、
慰謝料の代わりに住宅ローンを払うという約束をしたり、
マンションの固定資産税や月々の管理費を払うという約束をしたりすることが、
よくあるかと思います。
それを口頭だけでは不安なので、しっかりと文書にして残しておく。
その文書を、公証役場に出向いて公正証書として残しておくことは、
比較的一般的になっているようです。
しかし、公正証書に残したものの、
いざ離婚して、相手が家を出て行った後、
その相手方が住宅ローンの支払いを滞納してしまい、
どうしたら良いのか困ってご相談いただくケースがとても多いのです。
公正証書を残したからと言って相手が必ず払ってくれる保証はありません。
それは考えれば当然なことです。
夫が出て行ったと仮定しましょう。
夫は、出て行った後の自分の住まいに払う費用(家賃)と、
元の家の住宅ローンを支払う二重払いの状態になってしまいます。
今の家賃と、元々の家の住宅ローン、どちらを優先させるかと言えば、
今の自分の家賃を優先させるのは、火を見るより明らかです。
言い方は悪いですが、過去の家に支払う余裕はないということです。
では、そもそも公正証書を作ったのに、
どうしてこんなことになるのか?
あるいは、滞納しても法的に問題はないのか?という素朴な疑問が出てくると思います。
その答えもまた明白で、法的に許されなくても、
結局のところ、支払う能力がないのだから、
「無い袖は振れない」という話になってきます。
支払うつもりはあるけれど、支払うお金が無ければ、
当然に住宅ローンは滞納してしまいます。
公正証書からお金が湧いて出てくるはずはありません。
しかも、ご相談いただく方のほとんどは、
元夫、元妻とは連絡が取れなくなっています。
ここでもまた、公正証書は、
連絡が取れなくなった相手方を探し出すツールにはなり得ないのです。
では、どうしていくかというと、
もうプロに任せるしかありません。
私たちは、弁護士、司法書士、宅地建物取引士と連携を取りながら、
問題の解決に向けて細い糸をたどります。
直接相手方に会いに行ったり、来社させたり、様々にして
解決のための努力を惜しみません。
公正証書を作って安心してしまう前に、
比較的早い段階でのご相談をおすすめ致します。
おわり