ゴミ屋敷になってしまった自宅の任意売却（その２）
こんにちは、全日本任意売却支援協会の浜崎です。
今日は、前回の事例の続きをお話ししたいと思います。
今回のポイントは、４つありました。
①任意売却の条件が「全額返済」
債権者の銀行が住宅ローン全額に加えて、遅延損害金、さらに
競売の申し立て費用も全額返済を求めており、それが出来なければ
任意売却を認めてもらえないこと。
②税金滞納による差し押さえ
税金の滞納で市役所の差し押さえが入っており、それも70万円に
膨れ上がっていたが、全額返済しないと差し押さえの解除がして貰え
ないこと。
③任意売却により、引っ越し費用を確保したい
債権者と市役所だけでもギリギリですが、お金のない久松さんの為に
少しでも引越費用（治療費用）を確保する必要があること。
④ゴミ処理費用の捻出
久松さんが自費でゴミの片づけが出来ないので、買主の費用で
ゴミの処理をしなければならないこと。
そこで、今回は自宅の価格を抑え、ごみ処理費用を全額買主に負担
してもらう条件で任意売却を進めることになりました。
しかし、この４つの条件を叶えてくれる買主を探すのは、とても大変でした。
購入希望者が現れても、債権者や市役所の応諾が取れず、また多額の
ゴミ処分費用がネックになり、先に話が進まなかったことも何度もありました。
どうしても銀行の応諾が取れない時は、久松さんにも協力してもらい、
銀行の担当者に自宅まで来てもらいました。
あのゴミの山を実際に見てもらえれば、どれだけ今回の
任意売却が困難なことか分かってもらえるし、おそらく競売
になったとしても、入札数や金額が伸びない可能性が高いこと
が分かってもらえると思ったからです。
案の定、銀行の担当者は自宅の入り口で中のゴミを見て狼狽し、
家の中に入ることもせず、状況は良く分かりましたと言い残して
そそくさと帰って行きました。
そして、それから間もなく、銀行が少し条件を緩和してくれ、開札まで
残り1か月と迫ったころ、何とか全ての条件をクリアする買主を見つける
ことが出来ました。
最終的に、銀行の要求する債務を完済し、市役所にも滞納税を
全額納付することが出来ました。
また、久松さん引越費用（治療費用）もそんなに多くはないですが
何とか確保することが出来ました。
あれだけたくさん残ったゴミも買主がすべて自己負担で処分してくれる
事になりました。
無事に決済を終えて、久松さんはこう言いました。
「正直、最初はもうどうにでもなれと諦めていました。
でも、このまま家を取られるのも悔しくて、最後の望みをかけて電話しました。
今は無事任意売却が出来て、しかも自分にお金を残してくれて
本当に感謝の気持ちしかないです。相談して本当に良かったです。」
久松さんはその後、目の手術を行い、今はゆっくりと新居で
回復を待って生活しています。
いつかまた、バリバリと働ける日を楽しみにしているそうです。
もし家がごみ屋敷になったとしても、決してあきらめないで下さい。
病気を患い八方ふさがりでもあきらめないで下さい。
久松さんのように少しでも可能性があることを信じて、
一歩踏み出しましょう。
おわり
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