税金の差押えが入っている不動産を売る事が出来るのか?
みなさん、こんにちは。
全日本任意売却支援協会の新井です。
今回は、
税金の差押えが入っている不動産を売る事が出来るのか?
というご質問にお答えします。
通常の売却であれ、任意売却であれ、どちらも
抵当権と差押えを解除しない事には
不動産は売れません。
※法律的には売れますが、現実的には抵当権、差押えがついたままの不動産を買う人はいません。
今日お話する「差押えが入っている時」に注意すべき事は、
「売却金額」と「返さないといけない金額」
どちらの金額が高い状況か?ということです。
例えば、
①住宅ローン(抵当権)+税金差押え < 売却価格
②住宅ローン(抵当権)+税金差押え > 売却価格
①であれば、問題なく売却出来ます。
②であれば、売却価格より返さないといけないお金が多いので、
通常その不足分は、ご自身で工面して支払う必要があります。
もし、現金の工面が出来ない場合はどうなるのうでしょう?
答えは、「銀行や役所にとの話し合いが必要」となります。
この話し合いが必要な売却を任意売却と言います。
銀行と役所。
多くのケースで、
任意売却をした際に、優先的に回収ができるのは銀行です。
ただし、”どちらかを優先して話し合いをすれば良い”というわけではありません。
両方から了解を得ないことには、任意売却をすることが出来ないからです。
上記のようにお答えすると、
『役所は税金を回収できない可能性があるのに、なぜ差押えを入れるのでしょうか?』
というご質問をいただきます。
確かに、その通りですね。
任意売却をしても税金の回収が出来る見込みがないのに差押えを入れる。
不思議ですね。
登記簿謄本にはこのように記載されます。
※クリックすると拡大します。
国税徴収法でも、
第48条関係 超過差押え及び無益な差押えの禁止
無益な差押えは禁止しますとなっています。
しかし、よく読むと最終的な文言はこういう言葉になっています。
※差押えの対象となる財産の価額がその差押えに係る滞納処分費及び徴収すべき税に優先する他の税金その他の債権額の合計額を超える見込みのないことが一見して明らかでない限り、直ちに当該差押えが違法となるものではない(平成11.7.19高松高判参照)。
つまり、”他の債権額の合計額が一見して明らかではない限り“と抽象的な判断になっています。
実際、役所に税金の交渉をした際、担当者からこの判例を持ち出されることが多いです。
ご自宅の売却をお考えの場合は、任意売却、通常の売却にしても、銀行だけでなく、税金の差押えについても考慮する必要があるというわけですね。
おわり
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