愛する娘のために難病を乗り越えて…
こんにちは、任意売却コンサルタントの浜崎です。
任意売却を行う相談者の中には、男手一人で小さなお子さんを
育てながら仕事をしている方もたくさんいらっしゃいます。
配偶者がいれば、何かあっても助け合って乗り切ることが
出来きますが、仕事と育児の両立を一人で行うのは大変難しいのが実情です。
今回は、父子家庭でしかも難病に侵されながらも無事に
任意売却に成功した方からアンケートをいただいたのでご紹介します。
埼玉県にお住まいの椎名さん（仮名）です。
椎名さんは、システム会社にお勤めしながら、
奥さん、小学生の娘さんと暮らしていました。
約5年前、椎名さんは奥さんの育児放棄が原因で離婚する
ことになり、娘さんを男手一つで育ててで暮らすことになりました。
椎名さんは自分が仕事中に1人で待っている娘さんのさみしさを
埋めるために猫を１匹飼い始めました。
最初は仕事と育児の両方を一生懸命にこなしていましたが、1年後、
突然、足が硬化して動かなくなる原因不明の難病に侵されてしまいます。
椎名さんは通勤だけでなく日常生活もままらなくなり、一旦退職して、治療に
専念せざるを得なくなりました。
当然、その間は住宅ローンの支払いも出来ず、滞納がかさみ、保証会社から
競売の申し立てを受けることになりました。
高い住宅ローンを払いながら子供とマンションに住み続けることに限界を
感じていた椎名さんは、意を決して当協会に相談に来られました。
椎名さんの希望は、マンションを売却してすっきりしたいという事でした。
離婚後、生活費や住宅ローンの支払いを優先したため管理費の滞納、
税金の滞納もともに100万円を超えていました。
マンションを売却することで、そういったお金の悩みから解放されたいというのが
一番の希望でした。
今回のポイントはかなりの高額になってしまった滞納管理費等と
滞納税をどこまで返済できるかということでした。
通常、任意売却の際には滞納管理費を売却代金から清算するのですが、
あまりに金額が大きいとそもそも任意売却自体を認められないことが
あります。
また、滞納税についてはもっと厳しくて、通常売却代金からの配分は、
滞納税額の1割程度です。
今回は滞納管理費等も滞納税も共に100万円を超えているので、
任意売却自体を断られるか、滞納管理費等の配分は大丈夫でも、
滞納税は差額を自分たちでどうにかしないとならない状況でした。
しかし、椎名さんには差額の数十万円を用意できないので、債権者に
折れてもらうか、買主さんにお願いするしかありません。
少しの金額ならそれも可能かもしれませんが、今回は相当な金額で、
どちらにお願いしても難しい状況でした。
まずは、債権者に最大限滞納金額を配分してもらうよう交渉を始めました。
交渉はとても難航しましたが、最終的には100万円を超える金額の本税満額
の負担を了承してもらうことに成功しました。
そして、滞納管理費等についても100万円を超える金額の全額負担を了承して
もらうことに成功しました。
あとは、滞納税金の延滞金数十万円を何とかしなければなりません。
今回、何度も内見を行いましたが、飼っている猫の匂いが原因で
なかなか購入を申し込んでくれる方が見つかりませんでした。
候補者が見つかっても、臭いの除去やリフォームに多額の費用が
かかるので、滞納税の延滞金の負担までお願いできない状況でした。
しかし簡単には諦めず粘り強く販売活動を続け、数か月後にようやく
条件を受けてくれる買主を見つけることができました。
これで、滞納税額全てと滞納管理費等も全額清算できました。
住宅ローンも大半を返済することが出来ました。
椎名さんは理想の任意売却を終えることが出来て、本当にうれしそうでした。
引越も無事に終わり、また一から娘さんとの新しい生活が始まります。
椎名さんの難病も以前よりかなり改善して、今はまた新しい仕事に就くことが
出来ました。
離婚、競売、難病という３重の苦しみに一時は絶望しながらも、
愛する娘さんの為に決して諦めなかったその気持ちが今回の成功を
引き寄せたのだと思います。
おわり
≪管理費や税金の滞納についてのQ&A≫
- マンションの任意売却を考えていますが、税金の滞納額が大きいです。
- 実家が税金滞納で差し押さえに。お金を貸してと言われています。
- 管理会社が依頼した弁護士から「競売にする」と通知が来た
- 元妻が管理費を滞納。共有持分だが連絡がとれない。
目次：任意売却について
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