投資マンション問題の本質
こんにちは、全日本任意売却支援協会の松山です。
スマートデイズの「かぼちゃの馬車」とスルガ銀行の問題、レオパレス21の建築基準法違反など、とうとう社会問題化した不動産投資の実態。
今回は、いつもこれら不動産投資の相談を受ける側の人間として「投資マンション問題の本質」を解説します。
まず結論を言います。
市場には“儲かる投資マンション”はありません。
だから、そもそも儲からないマンションを買わされていることが問題です。
それではどういうことか解説していきます。
当協会に投資マンションのご相談に来る方の典型例が、「投資マンションを3件買わされた」というのものです。
なぜ複数のマンションを買ってしまうのか?これは販売会社の営業マニュアルを知れば理解できます。
営業マニュアルはおよそ次の通りに進められます。
1.電話営業
まず、投資マンションの販売会社の営業マンは、名簿屋と呼ばれる会社から電話番号のリストを手に入れて、次々と電話営業をします。
ターゲットとして多いのは公務員の方です。
特に多いのが、学校の先生、自衛隊員、役所勤めの方などです。ローン審査に通りやすく、かつ、民間のサラリーマンよりも言いくるめやすいとみられているからです。
営業マンは電話では非常にやさしく話をします。そこで少しでも話を聞いてしまうと、営業マンは「いける」と判断します。
そうなるともう営業マンのペースでどんどんと話が進んでいきます。
2.契約
話が進んでいくと実際にその営業マンと会うことになり、契約に向けてさらに具体的になっていきます。
そして、いざ契約段階になると、営業マンの態度は打って変わります。多くの場合は喫茶店や販売会社の事務所に呼ばれます。
そこで少しでも躊躇すると、営業マンの上司が出てきて、まるで契約が義務のように強引に契約を迫ります。
中には「もう銀行に融資を申し込んでいるのでやめることはできない」と強制的に契約させられることもあります。
これらもマニュアル通りです。
3.2件目、3件目を勧められる
渋々契約して購入すると、ローンの返済、管理費・修繕積立金の支払いが始まります。その後固定資産税の納付書が届きます。
すると気付くのです。「あれ?思ったほど儲からない・・・もし入居者が退去したらどうしよう・・・」
その頃を見計らって、営業マンからマニュアル通りに電話がかかってきます。
「1件だけだからリスクがあるんですよ!2件、3件と買えばリスクが分散されます!」
こうやって、不安に付け込まれてなすがままに2件目、3件目と立て続けに買わされていくのです。
こうやって、罠にはまったかのように次々と購入してしまうのは、「もう後には引けない」と心理的に追い込まれているからです。そして、販売会社やその営業マンもその心理状況を十分に分かっているのでそれを利用してつけこんでくるのです。
さて、「そもそも儲かる投資物件なんてない」という話に戻ります。
もし儲かる投資物件があるならば、そもそも不動産会社が買います。そうでなければ営業マンが個人的にでも買うはずです。しかしそうしないのは“儲からない”、または、“リスクが高い”と分かっているからです。
常に儲かる話を探し回っている不動産会社が、“儲かる案件”をわざわざ他人に譲るわけなんてありえないのです。
つまり、市場には儲かる投資物件はありません。儲かる投資物件は、市場にに出てくる前に不動産会社がすべて買っていきます。
これは不動産業界では当たり前の話です。
だから、投資マンションの営業マンは不動産に詳しくない人に買わせようとするのです。“儲かるはずのないマンション”を買わせようとしているのです。
そもそも儲かるはずのない投資マンションを買わされていることが問題なのです。
投資マンション問題は、連日ニュースや新聞で報道されています。
一番良いのは、買わないことです。しかし大事なことは、もし買ってしまったら追加で購入しないこと、そのままズルズル赤字を出し続けないことです。
以上、社会問題化している投資マンション問題の本質について解説しました。
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