個人からお金を借りて、自宅に抵当権が設定されている場合(2)

おはようございます。全日本任意売却支援協会の浜崎です。

この時期になると香りが漂ってくる金木犀。先日、子どもに金木犀と銀木犀があると聞きました。銀木犀も可憐なお花ですね。

 

さて、前回の「個人からお金を借りて、自宅に抵当権が設定されている場合(1)」

の続きになります。

 

販売開始から2か月でようやく内覧の予定が入りました。

この時すでに競売の申し立ては目前でした。

 

 

 

その数日後、内覧した業者さんからついに購入申込書が届いたのです。

ただし、申込金額は金融機関の希望金額に達していませんでした。

 

金融機関とは何度も交渉しましたが、

応諾するためにはあと100万円の買い上りが必要でした。

 

さらに、市役所・税務署に合わせて250万円の滞納税があるので、

これを納付しないと差押えの解除も出来ません。

 

そこで、この土壇場の状況でしたが、購入希望者に売買代金の

100万円の買い上りと滞納税の不足分250万円を別に出して

もらえるよう交渉しました。

 

しかし、購入希望者には流石に買い上りの金額が大きすぎると断られました。

 

 

断り

 

 

また、個人債権者のAさんもわずかな金額での抵当権解除に難色を示したままでした。

 

 

そこで、購入希望者には引き続き買い上りを交渉しつつ、

Aさんのお宅を訪問し、直談判で交渉を行う事にしました。

 

この交渉がまとまらないと間違いなく佐藤さんの自宅は競売の申し立て

をされてしまいます。

 

Aさんは最初、絶対に全額支払わないと抵当権の抹消に

応じないと頑なに拒否していました。

 

しかし、何時間も話し合いを重ねていくうちに、自然とその方の生い立ちや

今までの人生、家族の話、佐藤さんとの約束、今後の展望まで深く話が及び、

段々と私の提案を聞いてくれるようになったのです。

 

そして、その後も何度も話し合いを続け、ついに個人債権者Aさんも

全額ではないわずかな金額で応諾を取り付けることが出来たのです。

 

さらに残された時間がない中で、何とか購入希望者の買い上りの

了解も取り付けることが出来ました。

 

いよいよ決済に向けての準備が始まった時、また問題が発覚したのです。

 

まずは、佐藤さんの自宅の権利証、個人債権者Aさんの抵当権設定書類が

紛失してなくなっていました。

 

これは司法書士に本人確認情報を作成してもえれば何とかクリアできるのですが、

その費用が2件でかなりの金額になり、その捻出が大変でした。

 

それから1か月後、ついに運命の決済日を迎えました。

 

決済日にはAさんと待ち合わせして

一緒に決済場所へ向かうなどして最後まで、話が覆らないように

配慮しました。

 

佐藤さんは決済日の前日の夜中まで引っ越し作業をしたので、

かなり疲れた表情で当日決済場所にお見えになりました。

 

しかし、無事に引越も任意売却も終えることが出来たのです。

 

(佐藤さんより任意売却後にアンケートを頂きました)

佐藤さんアンケート

 

 

佐藤さん達は、家族と犬7匹と新しい家でまた仲良く新しい生活を始めました。

 

少し田舎に引っ越すことにはなりましたが、前の家には無かった広い庭が

付いており、犬たちが毎日とても元気に走り回っているんですと嬉しそうに

佐藤さんが教えてくれました。

 

 

おわり

 

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