すべてを失う前に…

こんにちは、任意売却コンサルタントの浜崎です。

 

早くに両親を亡くして祖父母との共有名義で自宅を所有している

という方もいらっしゃいます。

 

その場合、祖父母は一般的に固定収入が乏しく、自宅の住宅ローンが

かなり残っていたり、固定資産税等を滞納していると、自宅を保有し続けるのが

大変難しいのが実情です。


 

今回は、祖父との共有名義の自宅を無事に任意売却し、高額な滞納税も

すべて支払うこと出来た方からアンケートをいただいたのでご紹介します。

 

杉原さんアンケート

 

神奈川県にお住まいの杉原さん(仮名)です。

杉原さんは、システムエンジニアとして会社にお勤めしながら、

祖父と妹さんの3人で暮らしていました。

3年前、最愛のお母さんが他界し、祖父も入退院を繰り返した後、

ついに介護が必要になり杉原さん兄妹は面倒を見ることができない

ので、近所の介護付き老人ホームへ入所することになりました。


介護

 

また、12年前から自宅には祖父の滞納した税金の差し押さえ

入っており、本税と延滞税合わせて総額600万円にも膨れ上がっていました。

 

滞納している税金は少しずつ納付していましたが、杉原さんが別に

借りているカードローンや車のローンが滞納し、ローン会社から自宅を

競売にかけられてしまったのです。

 

競売は全く初めての経験で、杉原さんはどうしてよいか分からず、

インターネットで検索して当協会へ相談に来られました。

 

今回、杉原さんの希望は自宅を任意売却して、少しでも引越代が出ればいい

というものでした。

 

 

しかし、任意売却には4つの大きな課題がありました。

1.共有名義人の祖父が高齢で、意思能力がはっきりしているかの判断が難しい点。

2.自宅の裏ががけ地で境界があいまいな点。

3.祖父が自宅で消火器の販売業をしていたので、大量の消火器在庫が

  まだ残っており、その処分に多額の費用が掛かる点。

4.滞納税総額600万円を全額返済しないと任意売却できない点。

 

今回は以上の4つをすべてクリアし、かつ引越代も捻出するという任意売却

をしなければなりません。

 

時間があまり無い中で、今回は様々なネットワークを駆使して、ようやく

境界、消火器の処分、多額の滞納税、引越代を捻出できる買主を探し

出すことが出来ました。

 

あとは、共有者の祖父の意思能力がクリアできれば、任意売却出来るところまで

漕ぎつけました。

これで、だめなら今回は諦めなければなりません。

杉原さんにも事前に祖父の状態を聞くとともに、万一の場合のことも説明しました。

 

そして、しばらく体調を崩していた祖父の回復を待って、司法書士同席の元、

老人ホームに伺って面談を行い、祖父の意思能力の確認を行いました。

 

結果は、意思能力は問題ないとの判断を司法書士にいただくことが出来ました。

 

この後は、無事に契約と引越しを行うことができ、最後に決済も完了しました。

 

決済日には長年、滞納をしていた役所の納税担当者にも立ち合いをしてもらい、

総額600万円もの滞納税を一括で納付しました。

 

 

決済には立ち合ませんでしたが、後で聞くと、杉原さんの祖父も

長年の懸案だった滞納税がすべて完納できたことを大変喜んでいたそうです。

 

杉原さんの滞納していたカードローン、車のローンも何とか完済できました。

 

杉原さん兄妹も新しい賃貸アパートを借りて、また兄妹仲良く再出発を

することが出来ました。

 

すべての手続きを終えて、杉原さんが一言、「これで安心して眠れます…」

とおっしゃったのがとても印象的でした。

 

おわり

 

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