任意売却とリースバックを組み合わせた事例

全日本任意売却支援協会の専門相談員の谷口です。

住宅ローンの滞納、税金の滞納、事業用ローンの滞納による差し押さえや競売で自宅を失ってしまうケースが多くあります。

このようなケースの解決方法のひとつとして、今では任意売却を利用した「リースバック」がもっとも選ばれています。

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今回、お話させていただくのは親子間でのリースバックを選択した佐藤さん(仮名)についてです。

佐藤さんは、公務員の早期退職を機に「自分で喫茶店をしたい」という夢を叶えることができました。そして、祖父の時代から代々受け継いできた土地を守り続けてきました。

しかし、近くに大手チェーン店が相次いで出店し、佐藤さんの店の売上は傾いてしまいました。当初の売上の10分の1にまでなってしまったそうです。

 

危機感を感じた佐藤さんがまず初めに相談にいったのは、開業資金を借りた銀行でした。銀行の担当者からは「リスケジュール」を勧められました。リスケジュールとは、一定期間の返済について元本が免除され金利のみにする方法です。

佐藤さんは、毎月の返済額が大幅に減るのでその提案に乗ってしまいました。

「リスケジュール」の期限はだいたいが1~2年です。基本的にそれ以降の更新はありません。その期限が到来すると、それ以降の返済額は「元々の返済額+返済していなかった元本」となります。

この方法は一時的に返済額が減るだけであり、その後は以前にも増して返済額が増えるのです。つまり、根本的な解決ではなく一時しのぎでしかありません。

佐藤さんは、お店をオープンした時に借りたお金は、自宅を担保にしていました。そのため、もしも返済ができなくなってしまったら自宅が差し押さえられてしまい競売になってしまう状態でした。

 

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銀行の返答は「これ以上リスケジュールはできない」それだけでした。

どうすることもできなくなってしまった佐藤さんが当協会に相談に来たのは、銀行からそう告げられた翌日でした。

佐藤さんの希望は「出来るのであれば、祖父の代から続いている土地を息子に受け継いでほしい」というのことでした。

息子さんも含めた話し合いの結果、ゆくゆくは自宅を建て直して自分の子供にも継がせていきたいという息子さんの想いもあり、佐藤さんから息子さんに任意売却をすることにしました。これで無事にリースバックが完了です。

 

誰でも親として我が子に迷惑をかけたくないということはあると思います。その逆も考えられるでしょう。ただし、そのせいで自宅を失ったり、競売になってしまうケースもあるのです。

佐藤さんのように第三者の私なども入ることで、理解しあえる関係性ができ、言いにくいことでも正直に話せるようになりました。その結果、親子間の任意売却に成功しました。

 

もし、任意売却をするかどうか悩んでおられるのなら、何もやらずに後悔するよりも、話し合って解決する方法を一緒に考えましょう。

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