~高齢化社会へ②~不動産売買の「判断能力」が課題。
みなさんこんにちは。全日本任意売却支援協会の新井です。
そろそろ梅雨に入るのかな~雨は嫌だな~と思いながらネットを
見ていた時に偶然にもこんな言葉が・・・
「雨が降らなければ虹は見られない(No Rain, No Rainbow)」
ハワイのことわざらしく、私自身、少しポジティブな気持ちになれたので、
皆様にも紹介させていただきます。
では今回の本題です。今日は日本の高齢化に伴った、
不動産売買における「判断能力」についてお話ししたいと思います。
〇高齢化社会と人口の減少
現在の日本は超高齢化社会が到来しており、ニュースや新聞等でも
クローズアップされている少子高齢化社会となっているのは、皆さんもご存知だと思います。
ですが、正直、少子高齢化だと言われてもなかなかピンと来ないと思います。
そこで簡単に日本の総人口の長期的な推計、推移を下記に記載しますので、
まずは見て下さい。
<日本の総人口の推移:総務省資料より>
2018年:約1億2,000万人
↓
2050年:約9,500万人
↓
2100年:約4,700万人
どうですか?
わずか82年後には日本の人口は約4,700万人になる推計です。
こうして見たら驚きの数字ではないでしょうか?
約80年後に1億2,000万人が4,000万人に。。
日本の人口が現在の3分の1。
一体どんな日本になるのか?私は想像するのも難しく思います。
こういう社会的な背景から、超高齢化社会と呼ばれるようになった現代。
これを踏まえたうえで今回のお話をして行きたいと思います。
〇不動産売買における「判断能力」
今回のお話は、不動産売買における判断能力についてです。
判断能力とは、所有者本人が、
「売買することを正確に認識している」「本当に売買をすることに間違いはない」
といった事を理解する力の事です。
不動産を売却するには、所有者の意思確認がなければ出来ませんが、
判断能力がなければ意思の確認を行う事も出来ないのです。
日本の社会情勢に伴い、不動産の売却依頼に関しても
高齢者からの依頼、高齢者の親族からの依頼、相続不動産の依頼が
急増していますが、そこで問題となりクローズアップされつつあるのが「認知証」の問題です。
実は私自身も最近ご相談ケースの中で、この「認知証」の問題に直面するケースが
立て続けにあり、時代背景を考えさせられています。
高齢者の方が不動産を売却する場合は、本人の判断能力の有無が問われます。
通常は司法書士立ち会いのもと、判断能力の有無の確認を行うのですが、
判断能力がない(ももしくは疑わしい)と判断された場合には、
所有権の移転を行う事が出来ず、不動産を売買する事は出来ないのです。
時には医師の診断を受けて判断する場合もあります。
(私は先月、先々月と立て続けに、実際に医師の判断を仰いだ事例がありました)
たとえ、家族が代理でしますと言っても売却は認められません。
家族であっても、本人を代理して売買をする場合は、
家庭裁判所に申立てをし、許可を得る必要があります。
(これを成年後見制度といいます)
裁判所の許可を得る場合、少なくても申立てをしてから1~2ケ月程度は
時間を要しますので、例えば返済期日が迫っている為の売却や、
競売の申立てがされていて時間が無い中で解決をしなければならないといった中で、
売却が出来ないといった事態も増えています。
実際に私がお手伝いしている案件でも、同様の事態が起こっています。
超高齢化社会の時代背景の中で、今後は不動産の売買に関して
今回のような判断能力(認知証)という問題も急増する事でしょう。
こうした時代背景の中、私達、不動産に携わる者は、
高齢者やその家族が安心して暮らせるよう様々な支援を行い、
認知証をよく理解し、より慎重に対応することが求められると思います。
相続不動産の売買・持分の売買・認知症の方の売買等、
今後も超高齢化社会に対応すべく、ベストな解決方法を提案して行きたいと思います。
お困りや悩んでいる事があればお気軽にご相談下さいね。
おわり