「諦めたくない…」

こんにちは、任意売却コンサルタントの浜崎です。

 

全日本任意売却支援協会には、何とか自宅に住み

続けたいという相談が数多く寄せられています。

 

その中には、高齢の親御さんと同居しており、何とか

最期まで自宅に住み続けさせたいという希望もあります。

 

今回は、任意売却で投資家に家を買ってもらい、無事に

住み続けられるようになった方からアンケートを送って

いただきましたので、ご紹介させていただきます。

アンケート

 

東京都にお住まいの笹岡幸雄さん(仮名・48歳)からのメッセージです。

 

笹岡さんは父が約25年前に建てた自宅を16年前にフルリフォームし、

その費用のローンを組みました。

そして、幸雄さん、父親の正二郎さん、姪の智子さんの3人で暮らして来ました。

 

 

笹岡さんは親子で長年運送業を営んできましたが、5年前に父が脳梗塞で倒れ、

それからは笹岡さんが一人で何とか頑張ってきました。

 

 

しかし、2年前に笹岡さんも自身も難病になり、

まともに働けない体になってしまいました。

 

 

難病のため1日のうちでも数時間しか体が動かず、

コンビニのアルバイト代と同居している姪の援助で

何とか生活はできていました。

 

 

しかし、もうローンを支払う余力は無く、昨年12月末に

ローン会社から競売の申し立てを受けました。

 

 

ビックリした笹岡さんは慌ててインターネットで競売を回避して

住み続ける方法を探しました。

 

 

そして今年1月になりネットで調べたA社と面談し、住み続けたい

希望を伝え、媒介契約を行いました。

 

すると、1月下旬、A社より連絡が有り、親族間売買のため

ノンバンクを紹介するとの打診がありました。

 

必要書類を用意したり、ノンバンクとの面談も行い、A社の

担当の報告からも話が順調に進んでいるとのことでした。

笹岡さんはホッと一安心されたそうです。

 

しかし、2月下旬、ノンバンクから融資否決の連絡が入りました。

理由は「名義人の父正二郎さんが要介護の為、返済不能時に

退去が難しいから」との事でした。

 

困った笹岡さんは、父正二郎さんと相談し、介護施設へ入所して

もらうことにし、その上でノンバンクに再審査を依頼しました。

 

数日後、ノンバンクからの返事は再審査も難しいとのこと。

父の要介護以外の理由は何も告げられなかったそうです。

 

A社は他の金融機関にも融資を依頼すると言ったが、

数日後難しいとの連絡が入りました。

 

3月に入り、笹岡さんは投資家さんへの任意売却は出来ないかA社に

確認したところ、「競売の時期が近づいている為、現実的ではない」

と担当者に言われ、断念せざるを得なかったそうです。

 

その後、A社が物件調査を行ったところ、「笹岡さんの自宅は

建築検査済証が未取得なので融資先を見つけるのはさらに難しい」とのこと。

 

3月下旬、A社からは笹岡さんへ融資可能な金融機関は無いとの報告が入りました。

理由は色々言われたそうですが、相談時に笹岡さんがA社へ全て

お伝えしたような内容ばかりだったそうです。

 

 

困った笹岡さんは融資してくれそうな金融機関を自分で探し始めました。

 

 

すぐに1社見つかりましたが、金利の高さから申し込みを断念。

 

 

4月に入り、A社からは「親子間売買が不可能であれば第三者への任意売却に移行する」

と連絡が入ったそうです。

それは、つまり住み続ける事を諦めること。

 

 

笹岡さんはA社への返事を保留し、もう一度インターネットで

住み続ける手助けをしてくれるところが無いか探し始めました。

 

 

そして数日後、笹岡さんは全日本任意売却支援協会のホームページを見つけ、

すぐに相談の電話をくれたのでした。

 

この時点で、入札までの残された時間はあと2ヶ月に迫っていました。

 

難病のため思うように動けない笹岡さんとお父さんの為、

自宅で面談をすることにしました。

 

今までの経緯と思いを笹岡さんから聞きました。

笹岡さんは本当に悔しそうでした。

 

また、笹岡さんはA社の対応に相当不信感を持っており、

当協会へ依頼を切り替えてすぐに話を進めることになりました。

 

再度当協会で調査したところ、投資家を募る案件としても問題ない

ことが分かりました。

 

そこで、条件面でも笹岡さんと打ち合わせし、双方に無理の

無い条件で投資家の募集を始めることになりました。

残された時間は入札まであと1ヶ月半。

 

今回は、リースバックで投資をしてくれる投資家が必要でした。

つまり、数年間は賃貸で住み続けさせてくれ、その後ローンを

組んで笹岡さん達が買い戻すことになります。

 

同居する笹岡さんの姪が会社員で収入もあるので、賃借人と

買戻しの候補として協力してくれることになりました。

 

そして、1週間後、条件を了承してくれる投資家が見つかりました。

 

すぐに詳細の条件をつめ、売買契約を行いました。

しかし、この時点で笹岡さんは安堵する気持ちと、

今度こそ大丈夫だろうかという不安な気持ちで

落ち着かなかったそうです。

 

そして6月中旬、無事に決済を終えることが出来ました。

入札まで残り1週間でした。

 

笹岡さんは決済と同時に賃貸契約も行い、今まで通り

皆で自宅に住み続けることが出来るようになりました。

さらに今回は笹岡さんのローンも完済出来ました。

 

笹岡さんは一時、住み続ける事を諦めかけたそうです。

 

「でも、どうしても諦め切れなかった…」

そう言いながら、笹岡さんは目に涙を浮かべていました。

 

「父の介護、自分の病気を抱え、絶望の淵から蘇ったような気持ちです。

浜崎さんに出会えて本当に良かった。ありがとうございました。」

 

「笹岡さんの熱い気持ちが引き寄せた勝利ですよ。」

 

笹岡さんと熱い握手を交わし、私は帰途に着きましたが、

この2ヶ月のことを思い出しながら、決して諦めない気持ちを

笹岡さんに改めて教えられたような気がしました。

 

おわり