わかりやすい任意売却の判断
全日本任意売却支援協会の松山です。
毎日ご相談を承っていると、よく「任意売却したほうが良いですか?」という質問を受けます。この答えはケースバイケースなので、みなさんの状況を詳しくお聞きした上で答えるようにしています。
ここでは、長年の任意売却の専門家として、それぞれの段階で「任意売却をするべきかどうか」の判断基準と、取るべき行動について解説します。
できるかぎり分かりやすく書きましたので、ぜひご覧ください。
①すでに競売を申し立てられているケース
このケースは、すぐに任意売却の手続きを進める必要があります。というのも、この段階では選択肢は次の3つしかないからです。
1.競売
2.住宅ローンの残債務を“一括ですべて”返済
3.任意売却(リースバックを含む)
“1”の競売は避けなければなりませんよね?また、“2”の返済は多くの人にとって現実的ではありません。
ということは、“3”の任意売却をする必要になります。そして、何もしなければどんどん競売の手続きが進んでいきます。だから、任意売却を進めるには1日1日が貴重になり、すぐにでも任意売却の手続きを開始する必要があるのです。
②代位弁済の通知、または、期限の利益の喪失通知が届いている場合
このケースもすぐに任意売却の手続きを開始する必要があります。この段階は、競売を申し立てられる一歩手前の段階です。
残念ながら、もはや銀行は住宅ローンの残債務を全額一括で返済すること以外は受け入れません。そして、それができない場合は競売の手続きを始めます。
この競売の手続きをストップする方法が任意売却なのです。この段階なら、任意売却をすると申し出れば、多くの金融機関は競売の手続きを一旦ストップしてくれます。
だから、すぐに任意売却の手続きを開始するのです。
③住宅ローンを何度か滞納しているケース
このケースは、任意売却をすべきかどうか判断が難しいと言えます。というのも、『今後も返済が困難であるのか?』、または、『一時的に返済が困難であるだけなのか?』で判断が変わるからです。
未来のことなので確かなことはわかるはずがありません。そこで私達がみなさんに伝えている目安は、“10年後も返済できているか?”です。
返済できているイメージができるのなら、頑張って返済していったほうが良いでしょう。せっかく買ったマイホームです。ご家族のためにもぜひ頑張っていただきたいです。
一方、『イメージできない』『不安だ』というのなら、任意売却を検討してほしいと思います。問題を先送りするだけならば、それは解決になっていないどころか、ますます生活が苦しくなるからです。
④今後、滞納するかもしれないというケース
このケースでは、次の2つに分かれます。
1.滞納が確実である場合
任意売却を検討しましょう。
結果的にする必要がなければ、それはそれで良しです。万が一のことを考えて任意売却について知っておくことは決してマイナスではありません。知っておくことで漠然とした不安を取り除くことができるという側面もあります。
2.滞納が不確実な場合
もうしばらく様子をみましょう。まだ慌てる必要はありません。
不安であれば色々と問合せしても良いかと思いますが、かえって不安が広がるだけの場合があります。冷静に考えていただきたいと思います。
以上、それぞれの段階のおよその考え方を解説しました。