任意売却と離婚~前編~

こんにちは、任意売却コンサルタントの浜崎です。

相談者は、千葉県にお住いの西尾さん(仮名)です。

西尾さんは父親が創業した内装業を12年前に継ぎました。

当初は仕事も順調に入ってきており、10年前に結婚したのを機にマンションを購入しました。マンションの購入資金の一部は奥さんのお父さんがお祝いに援助してくれました。

その後、子供も生まれ、すべてが順風満帆でした。

ところが、5年ほど前から少しずつ元受けからの発注単価が下がり始め、仕事量も少なくなってきました。

当初は職人も5人雇っていましたが、仕事量が減少して雇用を維持できなくなり、今は父親と2人だけで仕事を請け負っています。

どんな安い仕事でも請け負って何とか頑張ってきましたが、とうとう2年前からは住宅ローンの滞納も時々するようになりました。

住宅ローンを支払えても、今度は税金を滞納してしまうという自転車操業状態になり、夫婦間でもお金のことでケンカすることが次第に増えて来ました。

 

そして、昨年の秋、ついに住宅ローンの滞納も数か月続いた後、銀行から手紙が届き、保証会社へ窓口が移りました。

 

西尾さんは最初、滞納している数か月分の住宅ローンを返済すれば、また元のローン払いに戻れると思っていました。

ところが、保証会社の担当者から連絡があり、残りの住宅ローン全額を一括で支払わなければ競売の申し立てを行うと教えられました。

その話を聞いた西尾さんは奥さんに相談しました。しかし、奥さんは普段からケンカが絶えず、気持ちが離れていたこともあったのか、これを機に離婚をしたいと言い出しました。

奥さんのお父さんにもかなりの資金を援助してもらって購入したマンションを数年で売ることになり、とても心苦しかったこともありました。

 

家だけでなく家族まで失う事に、西尾さんはとても落ち込みました。

そして、何とかお金をかき集めて、ローンを返済しようと試みましたが、やはり無理でした。

家に帰っても、奥さんとの会話は日に日に減っていき、いつしかご飯も別々に食べるようになりました。

子供達もお父さんとお母さんの雰囲気を察したのか、あまり2人が一緒の時は西尾さんと話をしなくなりました。

 

「このままではすべてを失ってしまう…でも最後に子供達に何か父親らしいことをしてやりたい…」

 

そう思った西尾さんはインターネットで調べるうちに、任意売却という方法があることを知りました。

家が競売になってしまうことを何としても回避したい一心で、西尾さんは当協会に連絡をくれたのでした。

 

次回に続きます。