「公売とリースバック」について
こんにちは、任意売却コンサルタントの浜崎です。
今回は住宅ローンを優先したために税金を滞納し、
公売の危機を何とかリースバックで回避した方のお話です。
相談者は、神奈川県にお住いの野村さん(仮名)です。
野村さんは奥さんとお子さんの3人暮らしです。
自宅は戸建てを25年前に新築しました。
野村さんは金属加工の会社で一生懸命働き、ローンの返済を頑張ってきました。
しかし10年前の定年を機に委託社員扱いになり、
収入が激減しました。それでも住宅ローンを滞納すると家を失うと思い、
優先的に住宅ローンを支払いました。
その結果、税金や健康保険料の支払いが滞納し、総額300万円になりました。
区役所からは矢のような催促をされ一括の納付を求められました。
しかし、どうしても支払いが出来きないでいると、ついに区役所から
公売にかける旨の連絡が来ました。滞納税の納付期限まで残り1ヵ月となった時、
野村さんはもうこれ以上自力では解決できないと覚悟を決めました。
お子さんがインターネットで何か解決する方法が無いか調べて、当協会の
ホームページを見つけてくれました。
相談には野村さんご家族3人でお見えになりました。
野村さんは住宅ローンを1度も滞納していなかったので、あとわずかで完済でした。
今回のポイントは2つありました。
1つは公売回避のために、滞納税の納付は全額完済が条件でした。
そしてもう1つは、2番抵当権者の残債務はありませんでしたが、抵当権の抹消は
されておらず、その抹消に必要な書類を野村さんが紛失してしまっており、再度
取り寄せなければなりませんでした。しかし、その2番抵当権の銀行は合併をして
いたので、野村さんの書類を再発行するのに、簡単には行きませんでした。
住宅ローンの返済が終わると、通常は銀行から抵当権の抹消をするのに必要な
書類が送られてきます。しかし、一般の方はその書類が届いても、自ら法務局
に手続きに行ったり、司法書士に抹消業務を依頼しないので、そのまま書類を
紛失してしまうことが多々あります。
銀行側も一度は発行してくれますが、再発行となると手続きに時間がかかったり、
かなり費用が掛かる場合があります。今回も2番抵当権の抹消書類の準備が、
区役所からの納付期限に間に合うかどうかが成否の分かれ目でした。
当協会で条件に合う投資家を探す間に、野村さんも2番抵当権の銀行に何度も
掛け合って、書類を準備しました。何とか投資家も書類もギリギリで間に合い、
無事に決済を迎えることが出来ました。
野村さん達は今も住み慣れた家に家族みんなで住み続けることが出来ています。