外国籍の方の任意売却~言葉の壁①
こんにちは、任意売却コンサルタントの浜崎です。
今年の夏は2年ぶりに実家に帰省する予定です。
母に孫の顔を見せるのと、祖母の認知症が進んでいるので、
まだ私の事が分かるうちに色々話もしたいからです。
病気とは言え、家族の事が分からなくなると寂しいものです。
さて、今回は外国籍の方の任意売却のお話です。
銀行の説明が悪かったのか、ご本人の解釈が間違っていたのか
真相は分かりませんが、言葉のとらえ方がその後の流れを
変えてしまったようです。
相談者は、埼玉県にお住いの村上さん(仮名)です。
村上さんは外国籍で、20年ぐらい前に旅行の途中で立ち寄った
日本がたいそう気に入り、その後、再来日してそのまま日本で
暮らすことにしました。
最初は日本語も全く話せませんでしたが、友人や職場の人との
交流もあり、次第に上達していきました。
そののち、結婚もして子供が生まれ、借りていたアパートが手狭に
なったので、思い切ってマンションを購入することにしました。
ところが、マンションを購入して仕事により一層打ち込んだことから
奥様とのすれ違いが始まり、ケンカが絶えず、離婚をしました。
子供は自分が引き取りましたが、幼子を抱えての仕事は無理なので、
自国の両親の元へ預けて、育ててもらうことになりました。
村上さんは子供のために一生懸命働いて、このマンションを
財産として残してやりたいと思いました。
ところが、3年前に20年間務めてきた会社を突然リストラされて
しまいました。
初めはすぐに仕事が見つかると思っていましたが、1か月たち
2か月たっても仕事が決まらず、焦りが生じてきました。
最初は少しあった貯金で何とか住宅ローンを支払っていましたが、
すぐに残り少なくなり、短期のアルバイトで食いつなぐ生活が
始まりました。
住宅ローンを支払えば、今度は管理費を滞納し、管理費を払えば、
今度は税金や保険料を滞納してしまいました。
住宅ローンの滞納も4か月になったころ、銀行から窓口が保証会社へ
移りました。
村上さんは、保証会社の担当者にどうしたら良いか相談しました。
保証会社の担当者は、「6か月分滞納しなければ大丈夫なので、
遅れながらでも払ってください。」と言ったそうです。
村上さんは保証会社の担当者の言ったことを信用して、5か月以上
滞納しないように、何とか遅れながらもローンの支払いを続けました。
ところが、それから2か月が経ち、滞納は5か月のままでしたが、
保証会社がローンの残額を一括請求してきたそうです。
担当者に6か月分滞納しなければ大丈夫と言われたので安心していた
村上さんはパニックになり、すぐに保証会社に連絡をしました。
ところが、保証会社も一括請求を機に担当が代わっており、
あとは言った言わないの押し問答が続いたそうです。
結局、「このままでは競売にします」という保証会社の言葉に、
諦めを悟った村上さんは、他に競売を回避する手段を求めて
インターネットで探し、当協会に相談いただいたのです。
つづく