銀行からの督促と任意売却

こんにちは。任意売却の専門相談員・浜崎です。

先日、節分ということで南南東を向いて恵方巻きを食べました。
もともと東日本には馴染みがない風習でして、ハロウィンよろしく何でも取り入れていくのだなと、日本人のミーハーらしさを感じました。

さて、先日、任意売却で無事に解決された方のお話です。

 

川島テルコさん(仮名)という東京にお住いの方で、数年前に離婚。女手一つで小学三年生になるお嬢さんを育てておりました。

財産分与という形で、夫婦で生活していたマンションを譲り受け、元夫からは慰謝料をもらう代わりに、住宅ローンの支払いを受けておりました。

 

ところが、半年くらい前から元夫からの入金が徐々に遅れ始めました。

その都度その都度、連絡を入れて、支払うように請求をしていたのですが、とうとう3ヶ月前からは全く入金が無くなってしまったのです。

 

慌てたテルコさんは、元夫に何度も何度も連絡を取ろうとしても、なしのつぶて。

銀行からは滞納に関する書面や連絡が入るようになり、自分の生活に不安を覚えるようになりました。

 

特に、銀行からの不在着信の嵐には、ほとほと困り果てたそうです。
そのプレッシャーに耐えられず、体の不調も訴えるようになり、テルコさん曰く「私、あの頃、うつ病だったと思います」とのこと。

 

すがる思いで当協会にご相談をいただきました。

ご希望を伺ったところ、「銀行からの電話を止めて欲しい」・・・テルコさんの願いは、ただそれだけでした。

 

私:「銀行はどうして電話をしてくると思いますか?」

 

テルコさん:「お金を払って欲しいからですよね。」

 

私:「いいえ、違います。」

 

テルコさん:「えっ!どうして???」

 

私:「では、テルコさんにお聞きしますが、テルコさんはどうして元ご主人に何度も何度も連絡をとろうとしたのですか?」

 

テルコさん:「あ・・・!」

 

皆さん、お分かりですよね?

そうです。連絡が取れないから、連絡を取ろうとして、電話してくるのです。

 

お金の回収のために連絡をしてくるのはもちろんですが、それよりも銀行は“今後どうしていくつもりなのか”を知りたいのです。

銀行がテルコさんにしていたことは、テルコさんが元ご主人にしていたことと、なんら変わりはないかったのです。

はじめに銀行にちゃんとした対応をしていたならば、テルコさんは、連絡に悩まされずもっと早く解決できたかもしれないのです。

 

私はご相談に来たその場で、すぐに銀行に連絡を取り、キッチリとお話しさせていただき、任意売却で進めていくことになりました。

銀行はテルコさんの意思が分かりましたので、以前のような矢のような催促の電話はなくなりました。テルコさんのストレスも徐々に軽減されていきました。

そして、なんとか買主さんもすぐに見つかり、任意売却を完了させることができました。

 

「こんなことなら、もっと早く相談にすれば良かったです!」と、会うたびに言われます。

今では、テルコさんは不安の重荷を解き降ろし、お嬢さんと幸せそうに暮らしています。

 

おわり