住み慣れた家に住み続けるよりも、手元にお金を残したい

全日本任意売却支援協会の康原です。

東京都に住む杉田和夫さん(仮名)の任意売却が成功したお話です。

ご希望として、競売を回避するために任意売却をして、

少しでもお手元にお金を残したいというものでした。

そのお金で引っ越しをして再出発したく、

なるべく高値で売れる不動産会社を探していました。

 

ただ、一般の不動産会社に行っても、

任意売却については知識が乏しいところばかりで、

ご相談に行っても、「競売になる」ということを連呼されて、

とても不安に感じたそうです。

 

さて、ご相談には、

杉田さんと奥さんがお二人でいらっしゃいました。

家に対する思いはもちろん、二人だけではゆっくりと話せない、

お金のこと、将来のこと、子供のこと、二人のことなどが、

時間をかけて語られました。

 

なかなか、そういうことは、夫婦では話さないですよね。

長年連れ添っている夫婦ですから、話さなくても分かるだろう

と思っていることが多いです。

 

しかし、言葉に出してみることでお互いの考えが分かることが

本当に多いです。当協会では、よく見られる光景です。

任意売却を通じて、家族の現在地と将来を語らうことが本当に多いです

 

杉田さん夫婦には、お子さん2人がいました。

お子さんは中学生と、小学生で、学区を変えたくないという

思いも奥さんにはありましたが、それよりも、競売になることで、

お子さんに迷惑をかけるのが嫌だという思いが強かったのです。

競売になることで、学校でバカにされるのではないかと考えていたのです。

 

だから、結論として、競売になるよりは、家に住み続けるのではなくて、

引越をしたいということに至りました。

 

相談にお越しいただいたその場で債権者に連絡。任意売却で進めて

いきたい旨を伝えて、あとはすぐに協力者を探す活動へと移ります。

 

途中、やはり不安を感じた杉田さんと連絡が取れなくなって、

心配になることもありました。これも、任意売却を進めていく中

ではよくあることです。常に不安と隣り合わせで、本当にこれで

良いのだろうかと、自分の決断に自信が持てなくなるのだと思います

 

私たちは任意売却のプロですから、

意外に任意売却がスピード解決することが多いです。

 

しかし、そのスピードに、お客さんの気持ちがついてこなくなると、

連絡が取れなくなってしまいます。

ここは、私たちのお客様のお気持ちに対するフォローが足りなかったと、

反省すべき点ではありまして、常に謙虚に、真摯に向き合わなければと思います。

 

ともあれ、なんとか任意売却が成立して、

その2か月後、杉田さんから感謝のお手紙などを頂きまして、

本当によかったなと思います。

 

担当した私から、ひとこと述べるとしますと、

やはり解決には家族ぐるみの協力が必要で、

その点で杉田さんは、家族間のコミュニケーションが取れておりました。

逆に私が、その家族間の連携に助けられたことが多くありました。

この杉田さんから教えて頂いた経験を持って、

さらに多くの方々を救っていきたいと考えております。