外国籍の方の任意売却~言葉の壁②
こんにちは。任意売却コンサルタントの浜崎です。
前回の続きになります。
当初、村上さんは保証会社の担当者の対応や言動を
痛烈に批判して、怒りを抑えきれないようでした。
しかし、実際に住宅ローンを滞納していることには変わりなく、
このまま騒いでも競売が申し立てられれば自分の負けになると
落ち着きを取り戻しました。
そして、まずはこれ以上遅延損害金や競売の申し立て費用と
いった余計な借金が増えないように急ぎ任意売却を行う
ことを確認しました。
まずは、保証会社へ連絡し、任意売却に取り掛かるので
競売の申し立てをしばらく待ってもらうようお願いをしました。
幸いにも、保証会社も村上さんとようやく話し合いが出来たので、
3カ月間は任意売却する期間を約束してくれました。
今回のポイントは、4つありました。
①3か月以内に買主が見つからなければ、競売の申し立てがされ、
その予納金やローンの遅延損害金が村上さんに請求され、さらに
借金が増える可能性があること。
②税金の滞納で市役所の差し押さえが入っており、それも100万円に
膨れ上がっていたが、全額返済しないと差し押さえの解除がして貰え
ないこと。
③管理費の滞納も80万円にまで膨らんでおり、このまま滞納が続けば、
管理会社としては競売も辞さないという状況であること。
④債権者と市役所、管理会社だけでもギリギリですが、お金のない
村上さんの為に少しでも引越費用を確保する必要があること。
しかし、この4つの条件を叶えてくれる買主は、
高い金額で購入していただくしかないので、長期戦も予想されました。
販売活動を開始しても、販売価格を高額に設定にせざるを
得なかったのでかなり苦戦が続きました。
しかし、地元不動産会社やその他にも数多くの紹介を重ねて、
根気強く販売活動を続けて行きました。
そして、最初の相談から3か月が経過した時、ようやく村上さんの希望する
条件で購入を希望してくれる方が見つかりました。
すぐに保証会社へ報告し、競売の申し立ては行わず、任意売却で進める事
になりました。
村上さんも大変喜んでくれましたが、契約の前後で、村上さんがどうしても
母国へ2週間帰国しなければならず、今回の売買ですべての返済が
まかなえるかどうかはかなりギリギリになりそうでした。
そして、村上さんの帰国を待って何とか契約し、その約1か月後に無事
決済をすることが出来ました。
住宅ローンも全額返済し、滞納管理費や滞納税も何とか全額納付することが
出来ました。
また、村上さん引越費用を十分に確保することが出来ました。
無事に決済を終えて、村上さんはホッとした半面、お子さんへマンションを
残せなかったことをとても悔やんだそうです。
しかし、あのまま保証会社と揉めていても、結局は競売になって何も手元に
残らなかったことを思えば、今回の任意売却はして良かったとおっしゃっていました。
言った言わないでトラブルが起きることもありますが、全体を見てどうすべきか
冷静に判断をすることも大切だと思いました。
おわり