抵当権と根抵当権の違いって?

2014年09月05日

不動産の登記には、権利者を表す甲区と主に債権者を表す乙区があります。

甲区には不動産の所有者である者の名前や住所が記載されているのですが、

乙区には住宅ローンの借り入れ先の銀行や借入額などが抵当権として記載されています。

 

このように、「甲区に所有者、乙区に抵当権者」というのが一般的なのですが、

まれに乙区に「根抵当権」と言うものが設定されている不動産があります。

 

 

抵当権とは、銀行や金融機関からお金を借りる際に設定する担保権のこと。

住宅ローンを組む場合は、購入する土地・建物に抵当権という担保をつけることになります。

 

なぜそのようなことをするのかというと、

住宅ローンを貸し出した側の銀行が、その債権の保全のために

対象不動産に抵当権を設定するということです。

 

万が一、返済が滞った場合、抵当権を実行することができるため、

競売で家を処分して債権の回収をするということですね。

 

また、抵当権では、住宅ローンなど特定の債権に適用されます。

(家を購入した時に発生する借金にのみ適用)

 

 

これに対して、

根抵当権は、継続的に発生する債務を、一定額まで担保するための抵当権であるということ。

不特定の債権に対して設定することが出来ます。

極度額という枠と、期間が定められています。

 

 

 

例えば、

抵当権は銀行から2000万円の住宅ローンを借りて不動産を購入した場合、

2000万円の再建を担保するのに対し、

根抵当権では2000万円までは何回でも担保します。

 

1000万円借りた後に100万円を借りることも可能ですし、

500万円借入して300万円だけ先に返すこともできます。

 

つまり、通常の抵当権では、

ひとつの債権に対して別々の抵当権を設定しなければなりませんが、

根抵当権では、家の購入や会社の運用資金など、

複数の再建をまとめて設定できるということです。

特に自営業の方等は、この根抵当権が便利と言えるでしょう。

 

 

また、抵当権は、借りている金額を全額返済すれば乙区から抹消されますが、

根抵当権は借り入れが無い場合や、全額返済した後も根抵当権として

契約期間内はずっと残っています。

身近なところでいうと、根抵当権はカードローンの仕組みと似ています。

 

 

説明だけ見ているとややこしい感じのする根抵当権ですが、

債権者である銀行や借りる側からするととても便利な登記方法です。

 

もし、お金を貸すたびに抵当権を設定していると、

登記費用がその都度かかるため銀行側も費用が掛かります。

 

 

また、借り手も毎回融資の審査を受けたり、必要以上の金額を借りて無駄な金利を払うことがなく、

必要な時に必要なだけ借りられると言う利点があります。

 

 

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