親子間売買(親族間売買)のデメリット

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こんにちは。任意売却のコンサルタント、安田裕次です。

 

前回のブログに引き続き、今回も親子間売買(親族間売買)に

ついて述べてみたいと思います。

 

子供に住宅を購入してもらうことを親子間売買、

子供ではなく親族に購入してもらうことを親族間売買といいます。

 

ここでは、まとめて親子間売買として説明します。

 

前回のブログでは、親子間売買はメリットがあると

書きましたが、一方でデメリットも見逃せません。

 

親子間売買は通常、ご本人(お父さん)名義の自宅を

子供が住宅ローンを組んで購入することになります。

 

この住宅ローン、(基本的に)ひとりひとつしか組めません。

住宅ローンですから、自分が住むことが前提とされているためです。

 

よって、お父さんの自宅を自分(子供)の名義で住宅ローンを

組んでしまうと、子供はもう住宅ローンが組めなくなります。

 

以前、相談者の方でこのようなことがありました。

 

相談者のお父さんが住宅ローンの支払いができなくなり、

あと少しで競売というところで相談に来られました。

 

その際、息子さんの名義で住宅ローンを組んで、

親子間売買を成功させ、競売を避けることができました。

 

しかし、その後住宅ローンの支払いをする約束だった

お父さんがまたローンを滞納したのです。

 

当然ながら息子さんの元へ督促状が届きます。

 

親子間売買をしたときは、独身だった息子さんも、

結婚しており、賃貸マンションで暮らしていました。

 

子供が産まれ、そろそろマイホームをと思っていた矢先に、

銀行から督促状が届いたのです。

 

事情を知らない奥様・・・

 

大問題になったことはいうまでもありません。

 

この場合、息子さんが新たに住宅ローンを組めないことも

問題でしたが、それ以上に住宅ローンの支払いを迫られた

息子さんご夫妻の家計も大きな打撃を受けることになり、

親子、そして夫婦の関係にも傷跡を残しました。

 

賃貸マンションの家賃と両親が住んでいる住宅ローンの支払いの

両方を支払うことは、会社員の息子さんに

重荷であることは言うまでもありません。

 

結局、賃貸マンションを解約して同居することで経済的な負担は

軽減されましたが、しかし、ひとつ屋根の下で暮らす覚悟ができていないまま

スタートした同居生活がうまくいくはずがありませんでした。

 

 

 

家を残したい・・・

 

住みなれた今の家に住み続けたい・・・

 

という気持ちは理解できます。

 

しかし、親子間売買は新たに住宅ローンという

債務(借金)が発生するのです。

 

それも、第三者の名前を利用して・・・

 

メリットばかりではない親子間売買。

 

私どももしっかりとデメリットを伝えたつもりでも、

何があるのかわからないのが、世の常です。

 

親子間売買を選択される際は、デメリットにも目を向けて

慎重になさって下さい。