競売件数は減少なのに、任意売却の相談件数は増加?

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前年下期(2013年10月~2014年3月)において、

首都圏で開札された競売件数は4288件でした。

 

直近でもっとも多かったリーマンショック後の

同期と比較すると、6割ほども減少しています。

 

全国的にみても年間6万件ほどあった競売件数が

ここ暫くは3万~4万件以内となっています。

首都圏同様、全国的に見ても6割ほどは減少していることになります。

 

 

この減少の理由は、なんといっても金融円滑化法の影響です。

 

金融円滑化法とは、中小企業や住宅ローンの債務者から返済条件の

見直しを依頼されると出来る限り応じなければならないというもの。

 

この法律は、2013年3月末に終了しましたが、この間に32万件もの件数が

返済を猶予されました。

 

 

この数字を見る限り、競売件数の減少理由は金融円滑化法の影響と断言できるでしょう。

 

 

しかし・・・

 

 

私たち(社)全日本任意売却支援協会への相談件数は増加の一途を辿っています。

昨年は1500件を超え、これまでの最高の相談件数を記録しました。

競売件数は6割減少なのに、相談件数は2割増加しています。

これは何を意味するのでしょうか?

 

いろんな要素はあると思うのですが、

一番の理由は、任意売却を扱う業者が減少したと私はみています。

 

任意売却は債務者と債権者の間に入り、競売回避にむけてかなりの労力を要します。

また、一般の不動産取引と比べると、費やす時間は莫大であることと加えて

専門知識も必要となります。

よって、新たに参入してきても継続できなくなるのではないかと考えています。

 

また、人材の問題もあります。

不動産取引の知識があっても任意売却取引ができるとは限りません。

 

当協会においても

任意売却の専門相談員としてご相談者を担当するようになるまでは、

不動産取引の知識がある方でも最低で1年、長くて3年は要するほど訓練を

積まなければなりません。

 

 

多くの他業者さんが途中で断念されるのは、

人材育成の問題ではないかと判断しています。

 

 

 

金融円滑化法で、返済を猶予された32万件・・・

これらは一時的に競売を回避したものであって、

根本的な問題の解決になっていません。

 

 

経済的な問題が解決しなければ、

近い将来に競売になってしまうかもしれません。

 

返済猶予件数を見る限り、競売件数を減らすために、

私たちがやらなければならないことが、まだまだあるように感じます。