セール&リース・バックで最も困難なこと
前、コラムで「住み続けるためには投資家の協力が必要」だと書きました。
今回は、一旦任意売却した後に、買い戻すことについてお伝えします。
一旦、任意売却して、家賃を払って住み続け、
そして買い戻すことを“セール&リース・バック”と言います。
「セールは売る」 「リースは借りる」 「バックは(買い)戻す」
そのままですね(笑)
その“セール&リース・バック”ですが、“セール”と“リース”は
できても、困難なのがバック、買戻しです。
事業再生の業界でもっとも有名な方とお会いしたことがあります。
事業が立ち行かなくなった経営者の最後の望みも、
自宅だけは残したい、住み続けたいというものだそうです。
その方がおっしゃっていたのは、「住み続けることは出来ても、
買い戻すことは難しく、可能性としては20%くらい」だと。
私もこれまでの経験でも、うまく任意売却が成功し競売を回避できても、
買い戻すとなると、その成功確率は20%程度かと感じています。
なぜ、買い戻すことが困難なのか・・・
理由は簡単です。
新たに住宅ローンが組みにくいからです。
この場合、自分で住宅ローンを組みなおすか、
もしくは身内の方に住宅ローンを組んでもらうかの
どちらかになります。
自分で住宅ローンを組むには、
最低5年以上の期間が必要になります。
これは、住宅ローンを滞納したことにより、
個人信用情報に傷がついているから、その傷が癒えるまでの期間です。
世間でいうところの、「ブラックリストに載っている」いうものです。
正式にはブラックリストなるものは、存在しないのですが、
先ほど、述べたように個人信用情報に傷がついているから、
住宅ローンの審査に通らないのです。
次に身内に買ってもらうことですが、この場合は
子供に買ってもらいたいと考える人が多いです。
しかし、親子間売買のところでも述べましたが、
親の借金を子供が肩代わりすることになるので、
ここでも住宅ローンの審査に通りにくいという問題が出てくるのです。
ただ、最近はいろんな金融機関が住宅ローンに対して、
比較的柔軟に対応してくれるようになっています。
当、一般社団法人 全日本任意売却支援協会でも
柔軟に対応してくれる金融機関と数多く取引させて頂いています。
セールとリース。そしてバックができ、
相談者に満足を提供できるよう、
引き続き努めていきたいと考えています。