競売になると家に来るのが不動産鑑定士?!

住宅ローンなどの支払い等を滞納すると、
債権者は裁判所に競売の申立てを行います。
競売は裁判所指導の元のオークションです。
債権者から申立てをされた裁判所は、
入札者のために、様々な調査を行います。
その調査をするのが、不動産鑑定士という
資格を保有されている方です。
その不動産の価値や占有者、権利関係などを調査し
評価書と呼ばれる資料を作成します。
不動産鑑定士の評価に基づき、
その物件がいくらから入札ができるのかという
入札可能価格が算定されます。
ちなみに、それらの資料は、
裁判所に行けば誰でも見ることができますし、
インターネットでも閲覧することができます。
不動産鑑定士は、競売の申立てをされた方の家を
一件、一件、見て周り、写真を撮ったりします。
物件の所有者からすれば、不動産鑑定士は招かれざる客です。
そんな不動産鑑定士の受験者が年々減少して、
この10年で3分の1になったとのことです。
試験の受験者数のピークだった2006年は4605人。
それが2016年には1568人に。(合格者はわずか103人)
この減少の主な要因は、合格率10%程という難易度と
リーマンショック後の不動産市況の低迷が上げられるようです。
不動産鑑定士の仕事は競売の調査だけではなく、
金融機関が扱う証券化や投資などの判断材料になったりするので、
大変、重要でご苦労の多い仕事だと耳にしたことがあります。
不動産鑑定士で組織する団体は、資格保有者を確保するために、
様々なPR活動や試験の見直しなどを行うようです。
今後、人工知能(AI)の発達により、
70%以上の仕事が失われるというデータもあり、
この鑑定という仕事の存在価値も問われる時がくるかもしれません。