生活保護申請!任意売却が完了しないとダメ?!
こんにちは。全日本任意売却支援協会の安田です。
日本経済新聞で見かけた記事を紹介します。
国や自治体を受ける受益と負担についてです。
高齢者、子育て世帯に恩恵があるとのことです。
国や自治体、すなわち役所から受け取れる
お金の代表格といえば生活保護でしょう。
生活保護に関して、今から数年前に任意売却の
ご相談を受けた方のことを思い出しました。
その方は介護が必要なほどお身体を悪くされ退職、
そして、住宅ローンの支払いができなくなりました。
奥さんはパートをされていましたが、
2人の子供(大学生4年と高校生3年生)の
4人家族の生活を支えることなど困難でした。
零細企業で退職金も出ず貯金のなかったことから、
住宅ローンの支払いができなくなるまでは、一瞬のことでした。
銀行からの督促、差押え通知、そして競売の申立て。
裁判所からは競売を実行する旨の通知・・・
しかし、毎日の生活にも窮するほどで、
住宅ローンの返済どころではありませんでした。
最後の手段として役所に駆け込み生活保護を申請しました。
ちなみに、相談者の方のご希望は住み続けたいというもの。
「今は生活に窮していますが、来年になれば二人の子供も
働き出して、それなりの家賃は支払える」とのこと。
当、全日本任意売却支援協会では家賃を払って住み続ける
仕組みのセール&リースバックをご提案しました。
(プライバシーの問題あるので、詳細は差し控えますが)
しかし、債権者との同意が取れずに
任意売却の話しが一向に進まないのです。
その債権者は小さな信用金庫で任意売却の取り扱い件数が少なく、
競売で進めたいという意向だったのです。
任意売却が進まないということは、
所有権は維持したままです。
所有権を維持したまま、すなわち不動産所有者は
生活保護の申請が認可されないのです。
また、競売の申請はなされているので、任意売却を
成立させる時間がどんどん減っていくことになります。
生活保護の受益ができず、それでいて
任意売却が進まないという状態で時間だけが過ぎました。
(これまた詳細は控えますが)
多方面から働きかけをしたことが功を奏して、
なんとか相談者の方の要望どおりに任意売却が成立しました。
生活保護の申請も認可され、セール&リースバックでの
取引を終えることができたのです。
当時、この任意売却の取引で不動産所有者は
生活保護の受益を得ることができないことを知りました。
全日本任意売却支援協会としては、生活保護の申請には
関与できませんが、この相談者のようなケースもあるので
矛盾を感じたことを、今回の新聞記事を見て思い出した次第です。
ルールはルールとして受け止めつつ、相談者の希望を叶えるために
矛盾と感じることに対しては、全日本任意売却支援協会としては
任意売却の成立に向けて全力で取り組む覚悟であることは変わりません。
終わり