中古住宅が活性化しない理由?建物価値と住宅ローンと銀行の評価
こんにちは。全日本任意売却支援協会の安田です。
今回も中古住宅の活性化についてお送りします。
これまでの我が国の政策として、新築住宅が建築されることが
経済発展へ大きく寄与すると考えられてきました。
新築住宅を完成させることにより、
建築資材はもちろんのこと、建築に携わる様々な
関係会社に利益をもたらすのは言うまでもありません。
また、新築住宅が売れることで、車や家具なども
この際、一新しようという気分になり経済効果が
多岐にわたることになります。
しかし、なぜこれまで新築住宅ばかりが
不動産取引の主役を演じることになったのでしょうか?
それは、中古住宅の評価に関係していると思うのです。
具体的にはこのような感じです。
我が国では、建築後20年~25年経過する木造建物は、
そもそも評価がゼロになるという慣行が存在しているのです。
欧米などは木造であっても、築100年という中古住宅が
取引されていますから、その違いは歴然です。
このため政府は、専門家の評価(不動産鑑定士など)を付けることで、
これまでの慣行を見直そうという働きかけをしているようです。
また、評価を見直すことで中古不動産取引に
欠かせない大きな要因が生まれます。
住宅ローンです。
銀行が住宅ローンの貸し出しを行う際は、当然ながら
その不動産の価値を評価し、抵当権等の担保設定を行います。
それなのに建物価値が建築後20年~25年でゼロになってしまうと、
住宅ローンの貸し出しができず、ひいては売買取引の実行に
至らないという結果になるのです。
これまで日本の銀行は、物件の価値を低く見て、
個人の属性(年収や職業)を重視してきました。
というか、建物価値がゼロになるので、個人の属性を
重視せざるを得なかったといえるのです。
仮に、価値がゼロになるという慣行が見直されて、
不動産の価値を最大限認められることで、住宅ローンの審査そのものに
プラスの影響を与えることは言うまでもないでしょう。
そうなれば、私たち全日本任意売却支援協会が
扱う任意売却の不動産にも住宅ローンがつきやすくなり、
任意売却の成立に向けて大きなプラスの効果をもたらすでしょう。
いずれにしても、中古不動産取引を活性化させるためには、
建物の評価を適正に行う必要があり、これがなされると
銀行の住宅ローンも借りやすくなり、自ずと任意売却市場にも
プラスの影響がもたらされると考えられます。
終わり