収益マンション、アパートローンが危ない!?
こんにちは。任意売却のコンサルタント、安田裕次です。
不動産投資ブームと言っていい現象が起きています。
書店の投資コーナーには、これまで株式投資が中心だった本棚に、
今もっとも幅を利かせているのが、不動産投資に関する書籍。
「はじめての不動産投資」
「楽して家賃収入年間300万円」
「頭金なしでも始められる」
「老後も安心のマンションオーナー」
などなど・・・
それぞれが、いかに不動産投資をすること、
収益マンションを所有することのメリットを、
これでもか!と書き綴っています。
投資の本を見ると、多くの人は次のように思うのでは?
「そんなに儲かるなら、自分でやったら?」と。
私も不動産のプロとして、そのように思います。
(任意売却投資の本を出している身ではありますが・・・)
不動産投資熱がここまで熱くなった最大の理由は、
これだ!と私は思っています。
たったひとつです。
何でしょうか?
「みんなが不動産に目が行ったから?」
「株式投資より、現物の不動産投資だから?」
「マンションオーナーという肩書き?」
どれも間違いではないですが、私の答えは違います。
答えは・・・
「銀行がお金を貸すから!」
これしかありません。
なぜなら、銀行が融資しないと買いたくても買えないからです。
通常のモノの売り買いは、売りたい人と買いたい人の
希望が一致すれば、取引が完了します。
しかし、不動産という高価なモノの場合は、
融資(ローン)が付いて始めて取引が完了に至ります。
「借りれるから買う」
「借りれるなら買う」
となるケースがほとんどです。
銀行が融資をするから売れるのであって、
融資が出ないと売れないというのが実情なのです。
マイナス金利政策などにより資金の運用に苦慮していた
各、金融機関はこぞって収益マンション、
アパートローンに舵を切りました。
不動産に特化した住宅新報によると、
2015年度に国内の金融機関が行った賃貸住宅向け
新規貸出額は、3兆6653億円で前年比8.0%も増えたといいます。
なお、貸出し上位の金融機関は
地方銀行が1位で1兆5762億、2位は信用金庫で8025億、
3位は都市銀行や信託銀行で5586億円となっています。
金利競争では大手銀行に勝てない地方銀行や信用金庫が、
担保が取れて、高金利が確保できるアパートローンに
注力している様子が伺えます。
しかし、ここへ来て金融庁から不動産投資バブルに
警鐘を鳴らし始めました。
収益マンション、アパートローンに
対する監視を強化するというのです。
これにより、これまでのようにジャンジャン融資をするという
姿勢に大きな変化が生まれるのは確実となってくるでしょう。
そうなればどうなるか・・・・・
「売りたくても売れない」
「買いたい人がいてもローンが付かない」
となってしまいます。
どんなブームも、いつかは去ります。
不動産投資ブームも、そろそろ終わりを告げようとしていると
多くの不動産関係者は思っています。
その終焉が、もうそこまで来ている・・・
銀行が融資をしなくなった時が、
ブームの終わりを告げるのです。
終わりを告げたときに、泣きを見るのはいつも
一般の個人であるように思うと、なんとも複雑です。