低金利報道と裏腹に増える任意売却の相談
至上まれにみる低金利時代と言われる昨今。
金利が下がるたびに、銀行間の住宅ローンの
競争激化により収益力の低下の新聞記事を目にします。
確かにネット銀行などでは安いところで0.5%の
変動金利を目にすることがあります。
店舗を構える都市銀行なども、
0.7%という低金利を打ち出しているようです。
ところで、この“競争激化で収益力の低下”の
報道って本当のところ、どうなのでしょうか?
多くの人は、余裕資金があれば、銀行にお金を預けます。
その金利は年利0.02%ほどです。
この金利は、銀行にとっては資金調達金利になります。
0.02%ほどでお金を調達。
住宅ローンとして0.5%で融資。
なんと25倍もの運用になります。
銀行の住宅ローンの貸出残高は、180兆円ほどと言われています。
180兆円×0.5%=9000億円になります。
これが銀行の儲けです。
結構な額ですね。
さらに、
銀行は住宅ローンの貸し出しを行う際に、保証料を取ります。
貸し出し金額の2%ほどです。
50人にひとりが滞納しても、損が出ないことになります。
更に、返済が滞るとその不動産を競売にかけますから、
全額が損金にもならないのです。
このように考えると、ただ貸し出し金利が下がったからと、
大騒ぎすることがあるのかと考えるのは、私だけでしょうか?
もちろん低金利は借りる側には大きなメリットがあります。
それでも、住宅ローンの返済に困られて任意売却の
相談に来られる方が後を絶たないのが現状です。
貸出競争激化の記事を目にしながら、
任意売却の相談の多さに複雑な思いを感じる昨今です。